岩津さんに聞く!
2015年04月24日
みにゃさま、こんにちは。
猫のしつけについては、みにゃさま悩むこともあるかもしれませんね。
そこで、今回は岩津さんに「しつけで体罰を与えること」についてお聞きしました。いつも心に置いておきたい言葉の数々でしたよ。
(岩津)
しつけに体罰は必要ないと思います。まずは皆さんご存知の「犬の十戒」。
犬を猫に置き換えても同じですので、一緒に暮らしておられる方は猫さんと出会ったころを思い出してお読み下さい。
「犬の十戒」
(第一戒) 私の生涯はだいたい10年から15年です。あなたと別れるのは何よりもつらいのです。私と暮らし始める前に、どうか別れのことを考えておいてください。
(第二戒) あなたが私に望むことを理解するまでには、少し時間がかかります。
(第三戒) 私にとって一番大事なことは、あなたから信頼してもらえることです。
(第四戒) 私のことを長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。あなたにはあなたの仕事や楽しみもあり、友達だっているでしょう。でも、私にとってはあなたがすべてなのです。
(第五戒) 私にちゃんと話しかけてください。あなたの話している言葉の意味はわからなくても、話しかけてくれるあなたの声はよくわかるのです。
(第六戒) あなたが私にどんなふうにしてくれたか、それを私は絶対に忘れません。
(第七戒) 私をたたいたりする前に、私はあなたを噛んだりしていないことを思い出してください―私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに。
(第八戒) 私が言うことを聞かないと怒る前に、なにか原因があるのではないかと考えてみてください。食事はちゃんとしているか、かんかん照りの日なたに置き去りにしてないか、年を取って体が弱ってきていないか、と。
(第九戒) 私が年を取ったら、どうか優しく世話をしてください。あなただって、年老いたら同じようにそうなるのですから。
(第十戒) 私が旅立つその時を安らかに迎えられるように、どうか最期まで一緒にいてください。「かわいそうで見ていられない」なんて言わないで、私を独りぼっちで逝かせたりしないでほしいのです―だって、私はあなたが大好きなんですから。
「第一戒 私の生涯はだいたい10年から15年です。あなたと別れるのは何よりもつらいのです。私と暮らし始める前に、どうか別れのことを考えておいてください。」
⇒小さくて、はかなくて、温かい生き物。初めて出会った時、お迎えした時、あなたはどんな気持ちでしたか? キラキラした愛くるしい目、親と離れて不安そうな目、怖い目にあってきたであろう怯えた目。そんな目や姿を見て、何があっても私が一生守り通そう、大切にしようと思いましたよね。
「第二戒 あなたが私に望むことを理解するまでには、少し時間がかかります。」
⇒私たちが幼かった頃を思い出してみましょう。いったい何年かかって、私たちはトイレを覚え、遊んだら片づけるということを学び、寂しいお留守番をお行儀よくできたでしょうか。母親をはじめ、家族や先生は根気よく待ってくれました。根気は愛情あってこそですね。
「第三戒 私にとって一番大事なことは、あなたから信頼してもらえることです。」
⇒何があっても、どんな失敗をしても信じて見守ってくれる、味方になってくれる人がいること。一人いるだけでどんなに安心できるでしょう。
猫ギャラリーより(みーちゃん / 北海道 / ジュン坊さん)
※写真と本文とは関係ありません。
「第四戒 私のことを長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。あなたにはあなたの仕事や楽しみもあり、友達だっているでしょう。でも、私にとってはあなたがすべてなのです。」
⇒飼われている動物の一生=命は、私たち人間の手の中にあります。しかし、その尊い命を預かる私たちは日常生活でのストレスに加え、ペットを飼っている場合はしつけがスムースにできない焦りやとまどい、猫同士の仲が良くない悩みなどの様々なことが重なり、気持ちに余裕がない時だってあります。
どこかに閉じ込めたり、無視をしたり、手を上げてしまったり...、それは「してはいけないこと」というのは分かっているんです。してしまったら後悔しますよね? 自分を責めてしまいますよね? 悲しくなりますよね? 猫たちも私たちと同じように悲しい思いをしているのは分かっていますよね?
猫を閉じ込めた時は私たちの心も閉じ込められ、無視をすると私たちも孤独を感じます。飼い主さんが辛い時は、同じように猫たちも辛いのです。
そんな時は、猫たちと少し距離を置くことが必要かもしれません。シッターさんやお友達に留守を預けて息抜きが必要なのかもしれません。どんな方法でも良いと思います。まずは、飼い主さんが心穏やかであることを第一に考えましょう。なぜならば、猫たちは飼い主さんといつも同じ気持ちだからです。飼い主さんが幸せな時、猫たちも幸せなのです。
「第五戒 私にちゃんと話しかけてください。あなたの話している言葉の意味はわからなくても、話しかけてくれるあなたの声はよくわかるのです。」
⇒感謝の気持ち、大好きだという想い、手を上げてしまって苦しんでいること、全部お話してください。すべてを受け止めてくれます。一緒に笑い、一緒に泣いてくれます。なぜならば、飼い主さんを愛しているからです。
猫ギャラリーより(momoちゃん / 栃木県 / 猫と花の部屋さん)
※写真と本文とは関係ありません。
「第六戒 あなたが私にどんなふうにしてくれたか、それを私は絶対に忘れません。」
⇒良いことも悪いことも全て覚えています。どんなに辛い思い出も私たちの愛情により、それは小さな小さな過去の出来事に変えることができるのです。
「第七戒 私をたたいたりする前に、私はあなたを噛んだりしていないことを思い出してください―私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに。」
⇒本気ではなくとも噛む子はいます。噛むことは怒りでも恐怖でもなく、悲しみによるものです。悲しい気持ちを知ってほしいという手段、心の叫びです。では、悲しい気持ちはどこからやってくるのでしょう?信頼です。信じていたのに裏切られた悲しみです。その信頼はどこからくるのでしょう? 愛です。愛しているから疑いもなく信じていました。その愛していた相手に裏切られた悲しみです。「愛」という彼らが持っている元々の純粋な想いをどうか忘れないで下さい。
「第八戒 私が言うことを聞かないと怒る前に、なにか原因があるのではないかと考えてみてください。食事はちゃんとしているか、かんかん照りの日なたに置き去りにしてないか、年を取って体が弱ってきていないか、と。」
⇒すべての行動には理由があり、すべての理由はシンプルです。なぜならば、心が純粋そのものだからです。純粋な気持ちでシンプルに考えて観察してみてください。私たち人間も純粋な気持ちを持っていますので、思い当たるはずです。
「第九戒 私が年を取ったら、どうか優しく世話をしてください。あなただって、年老いたら同じようにそうなるのですから。」
⇒良い時も悪い時も、どんな時も一緒にいるのが家族ですね。私たちに多くの感情をプレゼントしてくれました。そして、こんなにも誰かを愛しく思えることを教えてくれました。その豊かな時間は残り少ないのです。
「第十戒 私が旅立つその時を安らかに迎えられるように、どうか最期まで一緒にいてください。「かわいそうで見ていられない」なんて言わないで、私を独りぼっちで逝かせたりしないでほしいのです―だって、私はあなたが大好きなんですから。」
⇒お迎えしてから今日までの日々を思い出して下さい。猫と共に歩んだ山あり谷あり、思い出の詰まった人生。どんな時も一緒にいてくれる唯一無二の尊い存在。温かい体に触れあえる今、表情豊かなその目を見てお話のできる今、後悔だけはしないようにどうか今を大切にして下さい。
犬、猫だけではなく、飼われている動物の気持ちすべてが、この十戒に入っていると言っても過言ではないと思います。体罰を与えてしまい誰にも言えずに苦しんでおられる方へ、この気持ちが届くことを祈ります。