猫又情報提供者であるカメラマンの次女のみさこさんから、「もの凄く人見知りで、写真が撮られるのが苦手な猫です」と念を押された今回の取材、エキゾチックショートヘアは連載初の猫種ですから、少々困難があっても是非ともおさえたいところです。果たして撮れたのか?撮れなかったのか?!(まぁ、撮れなかったら記事にならないのですが......。)
に、逃げるのかな?汗
あっ、逃げた。
3代目
「元気」は15歳の男の子。飼い主で詩人の三間由紀子(筆名・みまゆきこ)さんは動物大好き家庭で育ち、結婚後二人の子どもから「猫を飼いたい!」とせがまれたことを好機に、猫との新生活が始まったそうです。犬よりも「自由で好き勝手なところがいい」と言う由紀子さんに対し、ご主人は犬派で、飼った後に若干の猫アレルギーが発覚するも、今では3代目。先代、先々代と「ペルシャ」系の猫と暮らしてきたことから、同じ面影があるエキゾチックショートヘアの元気を迎え入れ、現在に至ります。
長女、次女が実家を離れ、夫婦だけになってからやってきた元気のおかげで家は賑やか。たとえ1匹いるだけでも大違いだそうで、2人だけの生活に華やかさと心のゆとりをもたらしてくれています。だから「元気が居なくなると困る」とは納得。シニア期の猫を抱える飼い主さん共通の悩みですよね。
リセット!またイチから距離感をお互いに確かめます。
長期戦も辞さない構えか。
おっと!これ以上の深追いはキンモツ!
ふー、少しは慣れたかな。
もっぱら元気のお世話は由紀子さんだったので、その分当然懐いていました。それが面白くなかったのか、仕事をリタイアして元気と過ごす時間が増えたご主人は「ごはんを上げるヤツに懐くんだ!」と率先して夕食を準備するように。今は元気との距離を詰めるというミッションを楽しんでいるようです。
ごはんはまだかな?元気さん、夕食までまだまだです!!
由紀子さんにアピールするもスルーだ。
ごはんと動物病院
1年前の定期検診から腎臓ケアフードに切り替えた元気、初めは食べなくて体重も減ったそうですが、今は慣れて食べるように。現在は「消化器サポート」(ロイヤルカナン)と腎フードのドライフード半々の割合で。プラス「カルカン」のシニア用ウエットフードも。どちらかと言うとウエットフードの方が好みみたいです。ごはんは朝晩の2回。朝は由紀子さん、晩は前述の通りご主人が担当。その他好物は「チーズ」なんだとか。
日課のベランダ散歩。
晴れた日の芝生の上、いいねー。
いわゆるセカンドオピニオンで「頻繁に検査をしたがる」病院から「3ヶ月に1回来なさい」という病院へ、元気にとっても飼い主さんにとっても都合が良い病院に替えました。病院が大の苦手だという元気。人見知りだし、臆病だし、男の人も苦手というからね。無理させてたくさん通うのはかわいそう。「動物の気持ちを考え、年相応の処置を」という医療方針に由紀子さんは共感し、現在の病院を選択しました。
そろそろ慣れただろう。由紀子さんの書斎の前で。
良い加減
由紀子さんは歴代の猫との暮らしにおいて「わりと放っておく」「あまり干渉しない」「好きなようにさせる」ことを最良とし心がけてきました。由紀子さん自身も猫みたいなところがあって、「ひとりがいい(時がある)」「構われたくない性分」だからわかり合えるのだと言います。
由紀子さんの書斎に来て甘えることも。
私は今回の旅で「距離感」について再認識させられました。由紀子さんと元気のつかず離れずベタベタしない距離感、仕事人間だったというご主人と元気の距離感、離れていて久々に再会したときの長女と次女と元気との距離感。家族であっても様々なのです。距離感を尊重して接するカメラマンの私もしかり。
抱っこや膝のりも苦手な元気の性格もあって、良い加減の距離感を家族全員が心得て、成立する猫暮らしってことですね!
猫も人間も自由きままに、それで猫も人間も長生きするのかも知れません。
プレッシャーのかかる中、なんとか無事に取材を終えたことに感謝。
「距離感大事やでー」はい!肝に命じます!
「猫又トリップ」書籍化のお知らせ
小生の猫又トリップが本になります。
「ご長寿猫がくれた、しあわせな日々 〜28の奇跡の物語〜」(祥伝社)
2017年12月2日発売、Amazonで絶賛予約受付中です。
ドーンと10Pの
試し読みページが出来ました。要チェックです!
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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