「長生きなの?」17歳になる愛猫「ぷぷ」を見ながら、飼い主の西川正美さんは素直にそう言いました。15歳以上の猫を見つけるのがいかに大変か、という私の苦悩を熱く語りながら、猫又トリップスタートです。
面倒見の良い家族
ぷぷ(グレー白・男の子)は西川さんが前に住んでいたマンション(現在は戸建てにお引越し)の下で保護した猫。この頃、マンション周辺には野良猫が数多くいて、母猫が子猫たちを連れて歩く姿を、住民は何度も目撃していました。そんな中、ギャーギャー鳴きわめく1匹の子猫に西川さんは遭遇するのです。
「母親に置いていかれたのかしら?」このままの状態だと子猫の命はないと直感し、
家に連れ帰ったのがぷぷです。
猫と生活した経験もある西川家ですが、子猫から育てたことはありません。しかしミルクの給餌、排泄の手伝いは楽しく、難なくこなすことができました。また当時一緒に暮らしていたプードル犬(らっこ)の面倒見がすごくよく、人間よりもぷぷをサポートしてくれたことが、ここまで育った要因なのかなぁと振り返ります。
ぷぷを育てた後も、次から次へと、放って置けない性分を見透かしたように西川家を頼って?野良猫がやってきます。今まで何匹の猫を保護し、迎え入れ、里子へ出したのか数え切れません。
現在西川家には4匹の猫がいます。黒白のモモ(14歳・女の子)と黒猫のチョビ(男の子)はきょうだい猫、白キジのふく(7歳・男の子)は一時西川さんが営んでいた喫茶店で暮らす看板猫でしたが、6年前に家猫として合流しました。
モモは後脚に障害があるも、気は強い性格。
元看板猫のふく。来た当初は大人しくしていたが、それぞれのパワーを知りだんだん大きな顔に。
ぷぷの後ろ、黒猫のチョビは家で一番大きい猫。だから?動きも少ない。
「また来たの?」猫が増えることにぷぷはストレスもなく、怒ることもありませんでした。それは自分も同じ境遇だったから?自分が犬から受けた愛情を新入り猫たちに同じように注いでいったと言います。ええ話や......。
4年前に糖尿病に
ぷぷは糖尿病で、朝晩2回のインスリン注射が欠かせません。なぜ糖尿病がわかったのかというと、「おしっこの回数」だったと言います。多頭飼いで難しいのが、個々のおしっこの判別だと思います。しかし、ぷぷは他の猫と違い、「おしっこシート」で用を足す猫。きっと親同然の犬の行動を真似たのでしょう。これで病気がわかったのはラッキーでした。今はこまめな通院で糖尿病の進行は抑えられています。
掛かりつけの町屋動物病院にて。
また半年前には体が硬直しバタバタと暴れ、よだれやお漏らし、「てんかん」の発作で病院へ運ばれ即入院ということもありました。高度な医療検査を要し、それはシニア猫には負担が大きいとのことで原因を突き止めるまでには至らなかったのですが、今は
1日2回の「抗てんかん剤」を処方されています。
今は猫砂で用を足すように。なぜだ?
長生きな方なの?
「痛い、苦しいがなければいいなぁ」それが西川さんのぷぷへの想い。それはぷぷの後にやって来てぷぷよりも早く虹の橋を渡っていった猫たちの存在があるからです。人間よりも猫の世話をかってでたぷぷに「暮らしやすいようにしてあげたい」が今後の西川家のテーマです。17歳はまだまだという感じ、だってプードルのらっこは20歳まで生きたのですから。
当然20年は生きる?まだまだぷぷと西川さんから目が離せません。
それぞれがとっかえひっかえ場所を変え寝る。若いふくだけ行動派。
遊びたいけど、みんな付き合ってくれない...。
だってシニアですもの。おやすみなさい。
「猫又トリップ」が書籍になりました。
『
ご長寿猫がくれた、しあわせな日々』
15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。
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(ΦωΦ)
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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17歳でも、まだまだと言える心の余裕が素敵ですね。温かく育てられた子は、後輩にもおおらかなんでしょうか。これからものんびりと長生きしてね。
by ふ〜みん 2018-03-15 21:08
ぷぷくんシュッとした表情が全てを物語っていますね。犬と共生した経験がどんな猫が来ても大丈夫!!となったのなら出合いは必然、な気がします。
ねこでもペットシーツで出来るんですね~~~、初めて聞きましたがいまでは猫砂で?みんなと同じように・・・というぷぷくんお配慮なのかしら。
モモちゃん気が強そうな顔してるわ~~~(^^)
by あずにゃん 2018-03-16 15:05
ふ〜みんさん
犬のらっこの子育てがよほど良かったのでしょうね。
ぷぷは自分のことを犬だと思っているのかもしれません。
by ケニア・ドイ 2018-04-17 09:14
あずにゃんさん
ペットシーツでしてくれるとぷぷのものとわかる利点があったのですがね。
何でしょう?若い者に刺激を受けた?意地ですかね?
モモちゃんは、ふくにちょっかい出されて怒ってたのかも知れません。
フラフラ歩くモモに飛びついてました(汗)
by ケニア・ドイ 2018-04-17 09:20