みなさん、こんにちは。編集部のMです。
アニマルレスキューシステム基金(以下、ARSFさん)訪問記の第3回目をお送りします。前回予告した通り、今回は「えさやりさん」のことについてです。
「えさやりさん」とはその名の通り、野良猫に餌をやってかわいがっている人のこと。私は今まであまり気に留めたことはなかったのですが、ARSF代表の山崎さんによるととっても多いのだそうです。そして、それぞれ横の連携がないというか、えさやりさんは基本的にひとりでひっそりとやっていくので、同じ地域に何人ものえさやりさんがいる場合もあるとか。そんな地域の野良猫はたらふく食べていて、わりと太っています。
えさを勝手にやるから繁殖するとか、糞尿の被害が出るとか、生ごみを荒らされるなどの理由で地域住民とトラブルになっているところもしばしばあります。そんな後ろめたさからか、ひと目を避けて早朝や夜にこっそり置いていく人が多いのだと思います。ただ、地域の猫情報に精通し、愛情深いえさやりさんたちが一歩進んで、積極的に捕獲→不妊・去勢手術を推進する立場になれば、こんなに心強いことはありません。地域の方にも理解してもらえる一助になるかもしれません。横浜市磯子区や佐賀市などのように不妊・去勢手術を済ませた野良猫を「地域猫」として住民がグループを作って積極的に管理し、見守る自治体も出てきました。
実際に私たちが取材中にお会いしたえさやりさん(ここでは仮に、Hさんとしておきます)もそのようなおひとりでした。Hさんは駅周辺の猫たちに餌をやるのを日課としておられ、お正月も休むことなくやられていたそう。Hさんは、ARSFさんと連携してその地域の猫たちの捕獲、手術に協力されています。ご自宅でも猫を飼われているのですが、野良猫たちのことも本当に愛おしそうにお話しされます。猫たちもHさんが来ると本当にどこからともなく姿を現しました。寒い中どこかでけなげに待っていたのだなーと思うと心が暖まりました。
(木を降りてくる猫が見えますか?^^)
野良猫を捕まえるところから自力で、手術も通常の病院で高い金額を払うとなると、個人にとっては限りなくハードルは高くなります。どの自治体でも、行政が野良猫に対する不妊・去勢手術の有用性を認め、地域住民とともに積極的に動き出すようになれば、問題は大きく改善するかもしれません。
皆さんの地域でも取り組まれていることなどありましたら、またコメント欄で教えてくださいね。
長くなりましたので、今回はこの辺で。次回は、ARSFさんの取り組みにより、神戸市でどれぐらい効果が上がったかをご紹介します!