ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2011年06月28日

生きていく

nekoblog-37.jpg

 2ヶ月にわたった房総の松山庭園美術館での、毎年恒例の猫ねこ展が好評のうちに終了しました。今回、私は、房総の小さな漁村で撮った猫の写真を2枚出品しました。1枚は、このブログのトップに紹介した漁村の兄弟猫。もう1枚がこの写真です。
 
 「負けないぞ ~津波のあとで~」というタイトルです。猫ねこ展では、なんと『審査員特別賞』というごほうびをいただきました(コノキミクオさんや山口マオさんたちが審査員)。
この猫のまなざしが来館者の方たちにもとても印象的だったようです。
 
 この写真は、大震災後の4月はじめに撮りました。いつもいく小さな漁村にも1メートル50センチの津波が襲ったことを知り、猫たちの無事を確かめに行ったのです。このこははぐれ猫で、今回被害を受けた漁協わきでくらしていたので、とりわけ安否が心配でした。
 
 彼女は、無事で、ゴミの積まれた漁協わきで、海をみつめていました。「こんなことで負けるワタシじゃないわ」というように。
 
 猫たちを見舞いに行って、私は、どんなことがあったって前を向いて生きていくしかないでしょ、という、動物に本来備わっている潔さを改めて教えてもらって帰ってきたのでした。
 
 彼女は、このあと、出産したそうです。近いうちに、出産祝いをもって、会いにいくつもりです。

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

Instagram

カテゴリ: 道ばた猫日記
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

本当に美しい偉容。たくましさとはかくも美しいものですね。

by 名無し 2019-05-17 00:59