ご近所の猫好きのAさんが「物置の中で、ノラが子を産んじゃったの。キジ寅のかあさんでね、子供たちもみんなキジ寅なの」と教えてくれたのは、数週間前のこと。
そのうち、我が家の庭にもあらわれるかな、と思っていたら、来ました、来ました。
だけど、いちどに4匹はつれてこないのです。毎日、午後に1匹ずつ連れて、うちの軒下の古いベンチで昼寝していきます。子猫の顔をのぞきこむだけで、はあ~~!しゃあ~~!ううう~~~って、すごい戦闘的です。
かあさんは、どうやら、坂下の空き地に住んでたちびノラだったみたいで、空き地にブルドーザーが入り、身重で引っ越したようです。まだ1歳ちょっとの若いかあさんです。
それにしても、必死で、生み場所をみつけ、餌場を確保(Aさんがあげてます)し、昼寝場所までさがしあてるとは。きっと子育てで疲れたからだをひととき休めたいのでしょう。1匹ずつ顔見世してくれているのかもしれません。
このあたりのねこはみな避妊ずみなので、地域でのノラの子育ては久しぶりに見ました。しゃ~~~はあ~~~~のかあさんを手術に連れて行くのは大変そうだけど、なんとかしなければ。とにかく、4ひきの子育て、がんばってね、かあさん!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
Instagram