ナツキチ君は、東京下町、立石のおもちゃ屋さんの猫です。元ノラですが、いまは、商店街の子供からお年寄りまで絶大な人気の看板猫さん。なにしろ人懐っこい。だから、この名前がついたんですけどね。
きょうは、おもちゃ屋さんのとなりの和菓子屋さんの前で、「暑いですけど、涼菓などいかがですか」とばかり、きりっと呼び込みしてました。
たいていは、おもちゃ屋さんの店前で、通りがかりの人にかまってもらうのを待っています。ナツキチ君、と呼べば、すぐにそばにやってきます。
家で猫を飼えない子も、ここにくれば、ナツキチくんを触り放題。ナツキチも触られるのが大好きなのです。口いっぱいに、おやつの唐揚げを頬張って走ってきた男の子。ナツキチとはんぶんこしたかったのです。おいしい?とナツキチの食べ終わるまで覗き込んでいました。
この町では、子供も猫も、生きている仲間同士です。ナツキチくんのこと、いま発売中の「猫びより9月号」の特集「猫と子どもの素敵な関係」で取材レポートをしましたので、ぜひ見てくださいね!
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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