夏の夜歩きが好きです。やはり、前世はノラネコだったに違いありません。
昼間は建物の裏の風通しのいい場所でのびていた猫たちも、夕方からのそのそ出てきます。そして、屋根の上や、道ばたのアスファルトの上や、草むらや、涼しいところをよく知っていて、思い思いにくつろいでいます。
夜の猫は、撮るのが難しい。確かにそうです。でも、ぼんやりすることも夜の写真のいいところだと思ってしまえば、面白い写真が撮れます。私はかなりハマっていて、写真の2割くらいは夜の猫の写真でしょうか。そのうち、夜の猫だけの展示もしてみたいと思っています。
私の使っているコンパクトデジカメには、夜景モードがついているのですが、それよりも、普通のモードで、露出を絞って撮るのが好きです。絞らないと、今のカメラは夜の撮影では勝手に露出を開けてしまいますから。夜景を、昼のように明るく撮る必要はないと、私は思っています。フラッシュなんてもってのほか(笑)。
ただし、手振れだけはしないように、しっかり脇をしめて撮ります。夜の路地、面白いですよ~。建物の隙間から見下ろしている猫さんや、マンホールの形に合わせてのコンクリートのカットにぴったりおさまって夕涼みしていたりして。
「きょうも暑かったね」と声をかけてから、パチリと撮らせてもらっています。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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