房総の漁村の猫たちに会いに行くと、日暮れどき必ず立ち寄る大好きな喫茶店がありました。明鐘岬にある「岬」という海小屋風のレトロな風変わりな店です。ありました、と書いたのは、岬は、今年1月20日に全焼してしまったからです。岬は33周年が目前で、店内は古いレコードや写真や絵や寄せ書きやへんてこな置物やらで埋まっていました。
節子ママは、日暮れてひとりでやってくる客を詮索するでもなく、海の話や音楽の話や猫の話をして暖かくいつも迎えてくれました。そう、岬には、3匹の猫がいたのです。チャーにプーにシロちゃんです。
新聞には、ケガ人なしと出ていましたが、猫たちが心配で10日ほどたって、餌をもって駆けつけました。3匹とも無事でした!開いていた窓から思い思いに 裏山に逃げて、何日も姿をあらわさなかったそうです。
先週、焼け跡に行ってみると、プレハブの土台が出来ていて、その周りで3匹がくつろいでいました。10月中の再開をめざして、岬を応援する人たちが手作りでこれからカウンターやバルコニーを仕上げるそうです。
感激したのは、猫たちのことを気にかけてご飯を運ぶ人たちが何人もいて、雨をしのげる餌場もちゃんとしつらえてあって、おかげで、猫たちは、3匹とものんびりふっくらしていたことでした。ねぐらは、近くの資材小屋にもぐりこんで寝ているようです。
寒くなる前にお店が出来そうでよかったね!もうちょっとの辛抱だよ、がんばれ!岬の3匹!