あっという間の1年でした。ことしもたくさんの道ばた猫たちに会い、たくさんのものがたりを知りました。みんな一生懸命生きていました。エライ!
年末のちいさな集いで、はじめて会った女性と道ばた猫の話をして数分、その方が言いました。「佐竹さんが道ばた猫たちを撮るのは、猫たちが佐竹さん自身だから、でしょう?」と。見破られました(笑)。
そうなんです。このごろ、つくづく思います。猫たちは、私、そして私たち、だと。途方に暮れた姿も、ひなたぼっこの安らかな姿も、こころが通じ合ってゴロゴロしてしまう姿も、私たち自身でした。猫たちの住みよい社会なくして、人間の住みよい社会があるはずもありません。
大震災という大変な一年でしたが、いろいろな町を歩いて、「世の中捨てたもんじゃないな」と思えるエピソードにいくつもいくつも出会えてしあわせでした。来年もそんな写真と物語を発信していきたいと思っています。
さて、今年最後の猫さんは、やんちゃ盛り猫さん2匹です。
黒猫さんは、以前このブログで紹介した、川口の喫茶店アクタのネロくん。彼は、神田川べりで保護された2ヶ月くらいのときは、炎天下、裂けたお腹から腸を垂らしてさまよっていたのです。それが、いまでは、こんなにりりしい若者に!店猫にぴったりのひとなつっこい性格で、お客さんのかばんや袋にアタマを突っ込まずにはいられないやんちゃ盛り。店内を駆け回っています。
白猫さんは、埼玉県加須市でおととい出遭った、ここちゃん。ほくさい美術館でのねこ展に出品した写真を搬出しにいったついでに、町を歩いていて、お米屋さんのガラス戸越しに目が合いました。
図々しく写真を撮らせていただきに店内に入ると、お店の奥さんがお茶まで出して下さって歓待。加須は猫のいない町だといいます。前、飼っていた三毛猫を亡くしてネズミの出没に困って、子猫をもらおうと探し回ったけれど、市内では見つからず、はるばる川越のほうからやってきたのが、ここちゃん。
ここちゃんは、ほんとうは真っ白な女の子。でも、広い店内や、おうちや庭を一日じゅう駆け回り転げ回って、いつもお顔や背中が灰色なのです。ネズミたちは、やんちゃ娘のここちゃんがやってきてからパタッといなくなったとか。ここちゃん、その若さで(4ヶ月)いい仕事してるなあ!「ここちゃんは美人さんですねえ」というと、奥さん、「ええー、そんなこと言われたのははじめて。でも、こんなやせっぽちの灰かぶり猫でも、ほめられるとうれしいもんですね」と笑っていました。また会いにくる約束を、ここちゃんとしました。
ネロくんもここちゃんも、その瞳のピッカピカなこと! 「生きてるってたのしい!」って、全身で発信しています。すべての猫たちが「生きてるってたのしい!」って思える世の中が実現しますように。そして、私たちもネロ君ここちゃんに負けず、瞳をピカピカさせましょう! みなさん、よいお年を!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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いつも佐竹さんのブログ楽しみにしています。
ほっこりしたり、涙ぐんだり、そうそうと思ったり…
猫ブログがまた本になればいいな…
佐竹さん今年1年お疲れ様でした。
来年も力強く生きている猫たちの姿 届けてくださいね。
by けいこ 2011-12-27 18:35
1年間おつかれさまでした。
佐竹さんのブログ好きです。
きらきらの瞳。
ずっとずっと守っていきたいですね。
世界中の猫たちのしあわせを願いつつ、
1番身近なうちの子がきらきらな瞳でできるだけ長くいてくれたらと思います。
by よーこ 2011-12-28 00:29
一年、お疲れ様でした! 佐竹さんのブログ、いつも楽しみにしています。
佐竹さんの猫を見る目の優しさは、そのまま人間を見る優しさに繋がっていると思います。
来年も楽しみにしています。
by もりゅこ 2011-12-30 09:53