去年の10月、漁網小屋の並ぶ房総の小さな漁村のはずれで、ノラの白猫が3匹の白い子どもを生みました。見るからに弱々しい3匹は、冬を越せるか、ちょっと心配でした。
今年の冬の寒さといったら! ようやく春めいた先週、その海辺を訪れてみました。あの子達は育っていないだろうなあ・・・とあきらめ半ば、いや、もしかしたら1匹か2匹は育っているかもしれない、という淡い期待を抱いて。
なんと! 3匹はすっかり大きくなっていました! 漁網小屋のまえで、ひなたぼっこをしていた、オッドアイ(金目銀目)の女の子は、「大きくなったねえ!」と話しかけると、はにかんで、ほら、しっぽと後ろ足とがこんがらがってしまいました(笑)。 おにいちゃんたちも元気に初めての春を迎えています。
そこへ、この漁網小屋の持ち主の漁師さんが船からあがってきました。「みーんな元気だっぺ!。白い猫は弱いっていうからよう、しんぺえになって、この冬は、小屋にコタツを置いてやっただよ。コタツなんて使ったことなかったけど、猫のために買った(笑)。寒い日や夜はもぐりこんで寝てたみたいだよ」
小屋をのぞかせてもらったら、コタツがでーんと置いてあるだけでなく、猫トイレも山盛りの猫缶も! 「うちは、おっかあ(奥さん)も猫が好きなんだ」とのこと。
青い空のした、ワカメが干してあって、芽吹いてきた草むらで3匹の白い猫が遊んでいる・・・・とびきりの春がここにありました。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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無事に育ってよかったです。漁師さん達のやさしさにも感謝!!真っ白な3びきの遊んでいる姿なんて微笑ましいんでしょう~~。会ってみたいなぁ~。
by りょう 2012-03-21 13:16
うちの猫も白いのでなんだか『白い猫は弱い』というところでどきっとしてしまいました。
やさしい漁師さん、
私からもお礼がいいたくなりました。
素敵な春のお話、ありがとうございました。
by よーこ 2012-03-22 00:08
優しい漁師さんとカワイイ猫がいる町!読んでいて心が温かくなりました。
by タケル 2012-03-22 14:50
うちにも白猫がいます。今ではすっかり元気で、逆にこちらが元気をもらっていますが、息子が拾ってきた時は、きっと弱くて親に見捨てられたんだろう・・・と思うぐらい目やにや鼻水まみれ・・・
毎日、目薬や点鼻薬をさしていました。
3匹とも元気に育っていました。というところを読んで本当にホッとしました。無事に育ってよかったです♪
逞しく生き抜いてね!!白猫ちゃん達♪
by 猫依存症 2012-03-22 16:35
皆、無事に育って安心しました! 世の中の人がみんな、この漁師さん夫婦のような人ばかりなら、猫(動物)にも人にも住みやすい世の中なのにな。
「白猫は弱い」と言われるのは、「白=保護色ではないので、目立って敵に襲われやすい」からきてると思います。
by もりゅこ 2012-03-23 00:57
猫ちゃんとってもcuteです!!優しい人が身近にいるってとってもステキなことですよね!!
by ばろん 2012-03-23 23:59
漁師さんに乾杯!
by ぞのこ 2012-04-01 19:15