フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:静岡県東部
●伊豆市別荘地での取り組み
昨年、大野地区の猫問題解決を見た事で、伊豆市関連の依頼が定期的に来るようになった。
ニュータウンでは定住型の別荘地という特殊性があり、年配者の一人暮らしも多い為、飼い猫か野良猫かの区別の付かない猫達が多数存在する。
助成金制度が充実しているとは言えない為、多数の猫がいるブロックごとに地域廻りをし、何とか不妊手術をして頂くべく根気よくお話ししていくが、応じて頂けない場合が殆ど。
まずは15年以上前から猫が多数いる事で有名な場所を着手。近所で独自にTNR(捕獲し手術し戻す)している方からの捕獲依頼をきっかけに、手術に応じない数件のお宅の猫達も不妊手術。
また、年配のご夫婦が増やしてしまった猫達で近隣から苦情が有った場所や、地域の共同浴場付近など、数カ所をピンポイントでTNR,11月~4月に合計42匹を手術した。ピンポイントの場所を広げる事により、より効率的に猫の減少を目指すため、引き続き地道な地域廻りを続けたい。
●譲渡会開催
犬部わんわんお助け隊(犬の譲渡ボランティアグループ)とコラボし、毎月譲渡会を開催。
各種検査やワクチン・不妊手術を始め、譲渡前だけでなく譲渡後も精査した里親会を心がけている。
また、譲渡後の状況調査も欠かさず行い、飼育指導などのフォローもしている。
●地域活動推進プロジェクト
猫のボランティアというと、どこそこ飼い主のいない猫を見つけて勝手に不妊手術すると思っている方が多いが、実はそういったやり方ではお金も時間もかかるだけでなく効果もあがらない。
70%の不妊去勢率を維持する事で猫の生息数減少が見込めるというデータがあるが、前述のやり方ではまず70%の手術率を達成出来ない。また、餌やりを助長させ、無責任な「スーパー餌やり」を生み出しか場の人間抜きのボランティアはただの自己満足に過ぎず、決して猫の為にならない。
動物ノートの活動は基本的に地域猫を目指し、ただ単に飼い主のいない猫を減らす事だけでなく、手術を終えた猫達の環境作りにも細かく配慮している。
特に苦情のあった地域ではTNRのみ済んでも、問題解決が図られない事が多い為、必ず自治会始め、地域説明をしっかりし、猫達の安全も謀るよう努力している。
また、餌やりと呼ばれる猫の管理者達が、自治会に認知されるよう、地道に説明会なども開催。
特に餌やりが管理者としての自覚や責任を感じて頂けるよう、TNRを通じてお話ししていくことで、数年にわたる、継続した活動が可能となる。継続した活動こそが、不幸な猫を減らす活動に繋がると、この数年の取り組みでなおさら確信を得た。
近隣のボランティアにも、セミナーなどを通じて、こういったやり方を説明しても「地域性があり不可能」と言われる事も多かった。しかしながら、当会だけでも、近隣の6市町村に関わり、同様の成果を上げている事から、基本は変わらないと今更ながら確信する。
●スペイイヤー千本などの基調活動
多少新しい猫の流入があるため、引き続き定期的な調査と不妊手術は少しずつ進めている。
また、これから捨て猫のシーズンを迎える為、松林の管理者である県に対して、捨て猫防止の看板立てを申し入れ、市役所・保健所と協働でポスターを製作。
推進員として保健所からの委託・・・という形で9カ所に看板立てを行った。
また、この時期毎年行っているのみ取り剤の提供も始めた所。相変わらず、餌やり人達は手術の資金もなく、体調の悪い猫などの医薬品も当会頼み。
フード提供をはじめ各種フォローしているのにも関わらず、定期的に訳のわからない事を申し出てくる為、本当に精神的に疲れる現場。
それでも、ここで当会が手を引いてしまえば、数年で元のもくあみになる事は目に見えている為、引き続き忍耐し援助を続ける予定。
当会のメンバーと地元のボランティアと3人で千本松原内に捨て猫防止の看板立てを行った。プロジェクト当初は、行政を始めどこからも協力を得られなかったが実績が認められる事で、こういった活動もスムーズに進むようになった。7年前に県が立てた看板は、半年程度で嫌がらせを受けたりして倒壊。今回は2~3年持たせるつもりで、力強くハンマーをふるう。
関口玄関:ニュータウン内、一人暮らしの年配者の玄関前。15年以上前から猫の餌やりをしていたが、おととし奥さんが亡くなった事で猫の世話もままならなくなった。猫達はみんな栄養不良。その後、ほぼすべての不妊手術が終わり、近所の猫好きの方達に餌やりもお願いした。手術時に治療もした事も有り術後たった1ヶ月で、現在は猫の状態も格段に良くなっている。
修善寺の別荘地:この半年間で42匹のTNRを行った別荘地。非常に環境は良いが、一人暮らしの年配者が餌やりをし、空き家も多い為状態の悪い"飼い主のいない猫"が多数生息する。餌やりを特定し、協力を得るまで根気と時間がかかり、資金も不足しているが何とか少しずつプロジェクトとして取り組みたい。
神戸の湯:共同浴場駐車場:ここでは妊娠3匹を含む14匹を不妊手術。2匹人慣れしていた為、依頼者と当会で1匹ずつ保護し、里親捜しもした。近隣の苦情も有った為、その後も追加で地域調査。猫達が行き来している場所を特定した為、引き続きTNRを予定。
<ご支援くださっているみなさまへ>
事務局が中心となって活動している沼津市では、この5年間で引き取り処分数が3分の1以下となりました。
これはひとえに、沼津市全体の助成金申請手術数の半数近くに関わってきた、当会の地道な活動の成果と自負しています。
また、先頃行った調査では、過去に関わりのあった地域で、猫の生息数の減少のみならず、地域の餌やりを繋げて協力し合う基盤を作った事で、猫の体調管理にまでも目が行き届くようになりました。
さらに懐疑的であった自治会からも活動成果が認められ、未着手の自治会からも活動要請を戴くようにまでなりました。
残念ながら、こういった独自の取り組みに対するボランティアの数は全く足りない状況です。
本年度の目標として、そういった活動の出来るボランティアを育てるべく、地域猫の輪を広げていく事に取り組みたいと考えています。
この数年、地域活動の出来るボランティアとしてスタートしたグループのサポートをしてきましたが、今年は9月の動物愛護週間に向けてオブザーバーとして「地域猫セミナー」開催をプロデュースする予定です。
ただ単に猫をTNRすると言うだけでない、真の意味で猫達の為になる活動の輪を更に広げていきたいです。
皆様にご支援頂いた資金が、効率良く活用する事でより多くを助けられるよう、これからも努力致します。引き続きご支援を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
「動物ノート」
http://www.doubutu-note.jp