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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2016年07月07日

「認定NPO法人 HOKKAIDOしっぽの会」さまの活動レポート(2015-16後期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:北海道夕張郡

対象期間中、犬82頭、猫30頭を保護し、犬69頭、猫43頭を譲渡しました。地域で野良猫の保護活動をしているグループの方に、TNR不妊手術の助成金を拠出した猫は15頭でした。
巷で言われている猫ブームの影響なのか、当会でも猫の譲渡が増えています。しかしブームにとらわれず、成猫や感染症キャリアの猫たちをご理解いただき、ご縁が繋がったことは大変嬉しいことです。
一方で中~大型犬のご縁があまりなく、雪が溶け気候も良くなってきたこれからの季節に期待したいと思います。

今回ご紹介するエマちゃんも、そんな中型ミックス犬の1頭でした。
昨年の7月、当会の近隣行政機関である石狩保健所に、カラスに突っつかれ怪我をしているようだと負傷犬として収容されましたが、お腹には大きな乳腺腫瘍が広範囲にあり、早急に治療が必要でした。

shipponokai-16.05.27-01.jpg 《当会に来て、1回目の手術後比較的元気だったエマちゃん》

当会で引き取りそのまま入院手術となりましたが、大きな乳腺腫瘍と思われたものは、悪性の扁平上皮癌、子宮蓄膿症にもなっており、同時に摘出手術をしました。
その後、フィラリア陽性であることも判明し、おそらくエマちゃんは病気になり、もともと放置飼育していた飼い主が手に負えず遺棄したのだろうと思われました。

そんな境遇でしたが、性格は大変人懐っこく温厚でおっとりマイペースな可愛らしい子でした。
おそらく幼少期から若いころは人に可愛がられて育てられたのだと思います。

年が明けて今年1月、元気がなく歩くのも辛そうになり診察、新たな腫瘍が内股からお腹にかけて大きくなっており、取れるだけ切除し膿と痛みの原因を取り、右足は膝下から切断しました。
痛みを伴う悪性のガンは、取っても取ってもエマちゃんの身体を蝕み、もうこれ以上の手術はできず、痛み止めのお薬を飲むしか方法は無くなりました。

そんな折、当会の卒業犬の飼い主さまだったボランティアさんが、エマちゃんの看取りを申し出てくださり、残された余生を温かな家庭で静かに穏やかに、せめて最期は幸せに・・とお迎えを決めてくださいました。

飼い主さまのご自宅へ迎えていただいてから、およそ2週間で虹の橋へと旅立ってしまったエマちゃんですが、飼い主さまのご都合で、お迎えの日を早めたり、「〝殺処分ゼロ″の陰で・・・老犬をみとる人たち」というタイトルのニュース番組の取材が偶然重なったりと、エマちゃんはきっと生きることや感謝の意味を伝えたかったのでは・・・、と思える出来事が多くありました。

最期の幸せな2週間、一緒に過ごしてくださった飼い主さまご家族と
いつか、虹の橋のたもとで会えますようにとこんな顔して待っていると思います。

shipponokai-16.05.27-02.jpg 《人が大好きだったエマちゃん》

可愛い子犬を飼う前に、いつか病気にもなり年老いて介護が必要にもなるかもしれないことを考えて飼育を始めてもらうこと。
高額な医療にかけなくても、最期まで愛情を持って看取る覚悟をもつこと。
飼えない理由がどうであれ、遺棄は犯罪ですから、行政機関や周りの人にまずは相談すること。
畜犬登録やマイクロチップの挿入登録で飼い主責任を明確にすることなどの啓発活動をしていても、犬の病気や老いを理由とした遺棄や放棄は後を絶たず、身体的な苦痛にさらに精神的な追い打ちをかけるような心無さには本当に胸が痛みます。

エマちゃんのような子を出さないために、私たちにできる事には何があるでしょうか。
ペットの飼育には免許制の導入が必要なのではないでしょうか。
エマちゃん、お疲れさま。どうか安らかに眠ってください。
飼い主さま、エマちゃんへの優しいお心遣い、本当にありがとうございました。

《今後の展望》
今年度は、道内行政機関での殺処分数が減ってきていることから、さらなる低減のため、また、殺処分数の減少のみならず、行き場の無い猫を減らす目的から飼い主のいない猫基金のさらなる活用と、対策の拡充を予定しています。


<ご支援くださっているみなさまへ>
いつもしっぽの会の活動をご支援くださり、本当にありがとうございます。皆さま一人ひとりのご支援が、しっぽの会の活動の支えとなり大きな力になっています。フェリシモさまを通じて頂いた大切なご寄付は、保護した犬猫の食餌費や医療費に大切に使わせていただきます。
これからも一頭でも行き場の無い犬猫が減少するよう多方面から努力してまいります。今後とも引き続きしっぽの会をご支援応援していただけたら幸いです。本当にありがとうございました。



「認定NPO法人 HOKKAIDOしっぽの会」
http://shippo.or.jp/
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