東向島を歩いていたら、小さな路地の奥で寝そべっていた三毛猫さんとふと目があいました。
そしたら、そのミーちゃん〈三毛だと、ついついミーちゃんと呼んでしまう)、たたたたっと駆け寄ってきて、『おなかすいたー』『なんかもってないの?」「ねえねえ~」と矢の催促。かばんの底をひっくり返して、カリカリをおやつにあげました。
そこへ通りかかった女性が、いわく、「このこは、通る人だれにでもおねだりするのよ。ひっきりなしにおねだりして、おねだりされた人もついついあげちゃうから、ひっきりなしに食べてるの。だから、ほら、こんなに太って。 家はないけどね、おまえは幸せだよね~」
ほんと、おねだミーちゃん、幸せです。メタボには、お互い気をつけようね。あ、ミーちゃんでなくて、ララちゃんとかエリカちゃんとか、おしゃれな名前だったら、ごめんね。
いるんです。フツーの猫でとってもラブリーな名前をつけてもらってる猫さんが。横浜日出町の駄菓子やさんにも、ノラあがりの三毛で、フランソワって名前をつけてもらった猫がいましたっけ。ひさしぶりにフランソワに会いに行きたくなりました~
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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