コナちゃんは、アメショーの雌で、推定2歳か2歳半。千葉県市川市の住宅街にある珈琲豆店「と庵」のマスターが飼っている猫です。
と庵の常連さんがやってきて、口にするのは、「可愛くなったねえ!」。
え? そんなにブス子ちゃんだったの?って? そうなんです。お世辞にも可愛いとはいえない猫でした。おととしの秋、ここにやってきたときは。
コナちゃんは、繁殖を目的にお母さんやきょうだいとともにブリーダーに飼われていました。うまれてすぐ、母猫とは別のケージにきょうだいと入れられ、ケージから出されることなく1年くらい飼われていたそうです。ブリーダーが夜逃げしたあと、コナちゃんたちはブリーダーのお母さんのもとに引き取られますが、飼いきれなくなり、保健所へ、という危機一髪のところを、猫好きの連携プレーで救出され、それぞれに里親がみつかり、コナちゃんは、ここにやってきたのでした。
ケージに一緒に入っていたきょうだい猫がぶくぶく太っていたのにくらべ、コナちゃんはその半分の大きさでガリガリ。餌をお兄ちゃんにみな食べられていたようです。ケージの中以外の世界を何もしらず、人間に話しかけられたことも遊んでもらったこともなかったコナちゃんは、無表情で無反応。顔も1歳というのにおばあさんのようでした。
ケージから出され、室内を歩いたときは、ひょろっとした足取りでよく転んだそうです。
いまは、ほら、ごらんの通り。好奇心に充ちた瞳で店内を闊歩しています。大好きなマスターと一緒に眠るあたたかさも、遊んでもらう楽しさも、おなかすいたあ!と要求することも、みんな知ってます。仲間もいます。先住猫のリッチ君にはちとあたまがあがりませんが、最近保護されてきた元ノラの新入りカルーアちゃんは、妹のように可愛がっています。
マスターが言っていました。「可愛がるとね、顔もどんどん可愛くなるもんだね。人間だって猫だっておんなじだね」って。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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初めまして。どぞ宜しくです。
by あにゃ 2011-03-09 03:15
間違って送信しちゃった(汗 本当に、可愛いね!と育てられている仔は、表情が違うんです。犬でも猫でも、人間でも。私も猫らに「可愛いね♪」とたくさん声をかけています。とーっても可愛いです♪
by あにゃ 2011-03-09 03:18
一目見て「可愛い!」と叫んでしまいました。文章を見て、そんな過去があったんだと知って、びっくりしました。幸せそうな顔をした猫を見ていると、こっちも幸せになりますね♡
by まろにぃ 2011-03-09 12:01