まず、今回の地震で被害に遭われたかたに、こころよりお見舞い申し上げます。
私の住んでいる、東京に隣接する千葉県市川市では、震度5強でした。猫たち5ひきと家の中にいたのですが、最初のぐらりで、これは大きいと思い、窓を開けました。すると、それぞれに好きな場所で寝ていた猫たちは、四方八方にすっとんで逃げました。そして、夜まで帰ってきませんでした。
その後の余震では、窓を開けなかったので、思い思いに椅子の下などに隠れます。ちゃんと猫たちには危機管理能力が備わっているんだと感心します。
よそのお宅の猫の様子を聞くと、震えがとまらずにいたとか、食欲がなくなったとか、頬がこけたとか、やはり、かなりの恐怖があったようです。飼い猫なら、大丈夫だよ、と抱きしめてもらえるけど、外で暮らす猫たちの恐怖はどれほどだったことか。
被災地の犬や猫たちのことは考えるだけで胸がしめつけられます。いち早く、被災した動物たちにも、手が差し伸べられますように!
写真は、去年のちょうど今頃の写真です。運河のほとりをのらさん3匹がのんびりと散歩していました「おーい、どこいくの?」と声をかけて振り向いたところをパチリ。菜の花が満開でした。
なんでもないこんな春の日の散歩が、いまの状況では、なんと贅沢で豊かな一日だったかと思えます。つつましいこんな一日一日が、今生きているすべての人々や犬や猫や鳥や虫たちに続きますように。そして、この試練をきっかけに、もっともっとやさしさを分け合える世になりますように。わたしたちは〈人も猫も)、みなはかない存在なのですから。あ、これは、悲観的に言っているのではなく、はかないからこそ、やさしくもたくましくもなれると信じているのです。
今週は、ぼちぼち、なじみの道ばた猫たちに会いに出かけるのを再開します。会ったら、言ってやりますね。大丈夫だよ、って。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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