歩き好き、猫好きのわたしが、これまでに町々でパッタリ出会った猫さんは、いったい何匹になるでしょう。もう何千という数になっていると思います。寝姿に魅かれたり、後姿に魅かれたり、見つめてくる目に魅かれたり・・・・。
葛飾区の古くからの町の、理髪店のガラス窓越しに、この子と目が合ったとき、ノックアウトをくらいました。こんな大きな瞳の猫ははじめて!ガラス越しの写真ではあまりわかりませんが、ぴっかぴかに光る大きな目でした。
理容室の奥さんが営業中にもかかわらず、出てきてくださって、その猫の話をしてくれました。数年前にノラの子猫であらわれたときには、痩せこけて目があまりにも大きくて印象的だったので、アイと名付けたそうです。非常な臆病さんで、ときおり外に脱走するものの、すぐに、こわくてたまらなかったよ~とばかり、びくびくと帰ってくるのだとか。
そんなに臆病なアイちゃん、店猫になってよかったね!
ちなみに、我が家の歴代の猫たちのうち、いちばん目が大きかったのは、ものすごく臆病なミュウミュウでした。アイちゃんと同じく白さば柄で、ダンゴムシにもおののく子でしたっけ。朝早く起きてこっそりアイラインをひいているといううわさもありました〈笑)。
猫の臆病度と柄と目の大きさ、研究したら面白いかも。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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