先週、雑誌「猫びより」9月号の取材で、葛飾区は立石という下町に取材にいってきました。立石は、最近の私のお気に入りの猫町なんです。以前、このブログで紹介した、目ヂカラアイちゃんも、路地のおちょぼぐちくん(その後、りりーちゃんという女の子と判明)も、立石の住民なんですよ。
今回の取材は、「子供と猫」という特集で、立石の猫さんをぜひ、と提案したのでした。
とにかく、この町は、路地猫がいっぱい。とくに駅前の商店街のおもちゃやさんと、その裏のちいさな公園には、個性派猫さんずらりです。
おもちゃ屋さんには、5匹の猫がいます。お年寄りからちびっ子たちにも大人気のナツキチくん、ちょっとシャイなジュンペイくん、アメショーのサンペイくん、半身不随のテツヤくん、紅一点のカケちゃん。
記事は、当然、人気者のナツキチ・ジュンペイコンビがメインになりそうです。が・・・・、この取材で、一番印象的だったカケちゃんの話をしたいと思います。去年11月に裏の公園にケージごと捨てられていた女のこが新入りでうちにいます、という話は、おもちゃ屋さんの晴美さんから聞いてました。ケージで捨てられてた、って聞いたら、いたいけな子猫を想像しますよね?
だけど、カケちゃんは、ごらんのとおり、でーんとエラそうな雌猫でした。おまけに、ひっかきぐせ、、噛み付きぐせがあるのです。若きカメラマン氏は、シャーと目の上をひっかかれ、血が止まらないという惨劇が。
晴美さんや町のひとたちは、「凶暴だから、捨てられちゃったんだね」「いまごろ、前の飼い主は、新しい猫を飼ってるよ」と言い合っています。
ひっかかれ、噛みつかれながらも、町のひとたちは、「カケちゃんや、新入りのくせになんでそうエラそうなんだ?」「カケちゃんきょうのごきげんはいかが?」なんて話しかけて、可愛がっています。
そんな立石という町も、カケちゃんも、私は大好きです。カケちゃんも立石のひとたちが大好きに違いありません。
ちなみに、カケちゃんの名は、「こういうへんてこな柄は、骨董では、カケというんだ」ということで、ついちゃったんだそうです。あんまりだよね、カケちゃん。(でも、ぴったり)。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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その後、驚くべきことが発覚。なんと、カケちゃんは♂だった・・・!!! 町の人たちは、みな、「メスなのに、このエラソーぶり!」と、面白がっていたのでしたが・・・獣医さんの「これは雄だよ」の一言で、大どんでん返しとなったのでした(笑)。
by 道ばた猫 2013-07-17 18:43