大阪天王寺ちかくにお住まいの作家、今井美沙子さんのお宅に雑誌のインタビューで伺いました。今井さんは、『猫はエライ』『やっぱり猫はエライ』の著書もあるように、無類の猫好きです。出会ってしまった猫たちに愛を分けずにはいられない人です。
取材が終わり、聞かずにはいられませんでした。「あのう、いま、猫はいったい何匹?」と。答えは、「家の中に8匹、外で面倒をみているのは10匹くらい」でした!冬には、敷地内に4箇所、ダンボールハウスを置いて、朝夕、ホカロンを取り替えるそうです。「誰かしら入ってるわ。顔の大きい白猫のマルちゃんが、足の悪いセサミちゃんにハウスを譲ったりしてな、いろいろ物語があるんよ。マルちゃん、来んようになったけど、オトコらしい猫やったわあ・・・」と、今井さんの猫ばなしは尽きません。
息子の光さんが開いている将棋教室は2階にありますが、そこには、3匹がデビューしているとのこと。会わせてもらいました。黄色いチャーくん(♂15歳くらい)、キジ寅の小ボスちゃん(♀8歳〉、黄色いタマちゃん(♀8歳くらい)です。
2匹はシャイで、写真を撮らせてくれたのは、なつっこいこのチャーくんだけ。やさしい穏やかな猫です。「チャーはな、うちのこになりとうてなりとうて、懸命にアピールを続けてたんや。だから、念願かなったいまは、いっさい外に出たがらん。いろんなつらいことあったんやろな」
チャーくんは幼かったコボスをなめるようにかわいがって、今でもなめたがるのですが、大きくなったコボスちゃんがうっとうしがり、プロレスが始まるのだとか。
「さあさあ、帝塚山将棋教室名物、猫プロレスの始まり、始まり~」というと、教室内の子供たちが大喜びで集まるのですって。
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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