大皿のごはんをぺろりとたいらげ、「もっと」とばかり見上げているこの猫、元ノラとは思えない風格があるでしょう?
母がひとりで暮らしている実家の庭に、この猫が忽然と姿を現したのは春のはじめのころ。痩せこけて、皮膚病で、目の吊り上ったねこでした。母には、リリコという真っ黒な美しい愛猫がいるのですが、そのノラ猫のすさんだようすをほっておけず、ときどき庭でごはんをあげるようになりました。新顔猫は人間が怖いのか、庭の物置の陰に餌をくわえていく日々が続きました。
よくみると、3ヶ月くらいの黒いチビ猫と一緒です!物置の縁の下で2匹で暮らしているようです。 さきにその子に食べさせて、自分はおこぼれを食べています。子育て中のお母さんだったんだ! すっかり情の移った母は、母子の面倒をみることに。
家の中にそーっと遠慮しながら入ってくるようになったころ、首筋にたらす薬で皮膚病も治っていき、みるみるカアサンは、穏やかで丸い目になりました。ごはんはチビに先に食べさせ、いつも遊び相手になってやるやさしいやさしいカアサンです。
そして、ある日、ふっと私がカアサンのお尻に目をやると・・・・・なんと、そこには立派なタマタマが! チビも男の子でした。男同士!
いったいどういう関係のふたりだったのか・・・・・。
かくして、いま、カアサンとチビあらため、オジサンとワルオと改名した2匹は、先住猫リリコを脅かすほどに、自由に家のなかでくつろいでいます。ワルオは、オジサンの溺愛もあってか、やんちゃこの上ない自由児にそだっています。(写真だけは怖いようで、いまだ近くで撮れず)
母子を装って猫好きの家に入り込む・・・・・これってもしかしてすごい知能犯だったのかも。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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父さんでしたか!?今でいうイクメンですね。頼もしいにゃんこです。
by オポかあさん 2011-08-30 15:00
ちょっと泣けるいい話ですね。。
改名されてるのがわらっちゃいますww
by ぼん 2011-09-02 08:45
野良猫をほっておけなかった実家のお母様が立派です。
きっと2匹の猫達は、お母様の優しさを感じたのかもしれないですね。
by さらだ 2011-09-02 20:01
まるで「ルドルフとイッパイアッテナ」の世界ですね!
by マダム・カネガネーゼ 2011-09-06 15:31
父性の強いネコだったのかな・・・素敵な話ですね。心が「ホッコリ」します。
ネコって小鳥と仲良しになったり、わんこと仲良くなったりしまね。どうしてだろう???
by きやこ 2011-09-06 15:57