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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2011年10月18日

「ダム」の猫たち

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暖かい日が続いています。青空に誘われて、先週の連休の最後に行った房総の民家カフェ「ダム」の魅力が忘れられず、またまた、花はなの里を訪れてしまいました。
 
 平日とあって、お客さんはほかに2組だけ。先週会えなかった猫たちも店内でまったりくつろぎ、窓からは里山風景がひろがって、のどかさもひときわです。このカフェもキャンプ場もオーナー夫妻の手作りで、キャンプ場は、もとの棚田の風情をのこしています。
 
 カフェをひとりできりもりしているオーナーのマリコさんが猫たちを紹介してくれました。
食客猫をいれると15匹いるそうです。駐車場係りの白黒かっちゃん。人を見かけると、「いらっしゃいませ」とばかりにゃあにゃあ啼きながら近寄ってきます。カフェの店内係りはゆうくん。次期ボスの座確実のかっこいい黒トラです。棚田のうえのほうに3棟のロッジがあるのですが、そこに入り浸ってすきあらば泊まり客の膝の上で丸くなるのは、白黒の雌猫もんちゃん。通称「ロッジのおかみ」ですと。もんちゃんの横腹には、くっきりした黒い大きなハート模様がありました。
 
 ほかにも、三毛猫のれもんちゃん、長毛で三毛っぽいららちゃんのほか、ピザを焼く石釜の番をしているグレイの品のいい猫やら、石段でくつろぐさばトラさんやら、ごめんなさい、1度では名前を覚えきれませんでした。これから通ってみんなと仲良くなろうっと。
 
 先週、紹介したさっちゃんは、里山が見渡せて、気持ちのよい風が入ってくる店内の特等席にいました。「さっちゃん、また来たよ」といって撫でてやると、麻痺した足をつっぱってごろごろごろと親愛の情を見せてくれました。
 
 さっちゃんをもらってくれないかと言われたとき、マリコさんは「いいよ」とすぐに言ったそうです。「さっちゃんは、来たとき、1歩も歩けなかったの。でも、店の壁に寄りかかって、立ち上がる練習を自分で懸命にやったの。えらいよね。捨てられてた猫をお客さんが持ち込むことも何度かあって、「貰い手がなければ保健所」なんて聞くと、見殺しになんてけっしてできない・・・・」。
 
 マリコさんの言葉は、いきとしいけるものへの、慈愛と共感にあふれています。この里山の風景と同じく、失ってはならないものと、心に刻みました。
(写真は、草っぱらのれもんちゃんと、駐車場のかっちゃんです)

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

佐竹さん。いつも幸せ猫だよりを有難うございます。毎回楽しみにしております。
5年前のこのブログを読み返してコメントしてます・・・。と言うのは最後の草むらで毛づくろしいる写真の猫ちゃんは、れもんちゃんではなくララちゃんだと思います・・・。ララちゃん1週間前に亡くなってしまいました。穏やかで優しくてさっちゃんにも親切にしていたお爺ちゃん猫でした。ご冥福をお祈りします。

by 山猫 2016-10-29 12:39