地域猫の試みは、各地で取り組まれているようですが、まだまだ広まってはいません。ここ千葉県市川市の中山法華経寺の参道商店街に暮らす地域猫たちは、とてもいい感じで定着しているモデルケースといえるでしょう。
外門(黒門)をくぐり、商店街を進むと、山門(赤門)があらわれます。そこから、お寺の境内にいたるまで、美しい石畳の右側には、昔ながらのお茶屋風の小さな店が何軒か並んでいます。そのあたりや境内や墓地が、20匹ほどの地域猫たちの自由空間。
初めて訪れる人は、猫たちがみな、ふくよかで、なつっこいことに驚くでしょう。石段でごろんごろんしている猫、落ちてくる葉っぱで遊んでいる猫、幼稚園帰りの子どもたちにかまってもらっている猫、落ち葉のクッションでお昼ねしている猫・・・・みんななんて無防備なんでしょう。それは、商店街のひとたちや、通行するひとたちに、いつも可愛がられているからです。
よく太った三毛ちゃんなんて、リサイクルショップの売り物の洋服にもぐりこんで熟睡していました。よっぽど安心してるんですね。
この商店街のひとたちは、みな猫好きで、店先に餌皿や水いれがおいてあったりしますが、NPOの餌やりのひとたちも関わっていて、猫たちはみな手術ずみです。里親探しもおこなっています。お寺は、いっさい口出しせず、みなさんでいいように、ということらしいです。餌を持ってくる参拝客もいますが、餌はじゅうぶんたりているので、その気持ちは、手術代などの募金のほうにまわしていただければうれしいと、商店街ではお願いしているとか。
参道は、近くの小学校や幼稚園の子どもたちの通学路がわりにもなっていて、行きかえりに猫たちと遊ぶのをたのしみにしている子がいっぱいいます。参拝のお年寄りも、参道に備え付けの座布団つき椅子に腰掛けて、にこにこ猫たちを眺めています。
この日、いかにも重そうなキジトラ猫を抱っこしていた女の子は、「毎日、この猫をだっこしにくるの」と言っていました。
このように、心を寄せ合えば、地域も猫を通じて仲良くできて、子どもたちの情操にもいいし、町の好感度もぐんとアップして、いいことづくしになるのに。ぜひ、全国に広まってほしい取り組みです。なんといっても、町の人たちが、「猫たちが幸せに生きるのは当たり前」といった感じで、肩に力のはいっていないのが素敵。
ノラネコ排除なんて、もうそんな考え方はけっしてしてほしくない。人間として恥ずかしくてたまりません。猫問題は、猫を好きか嫌いかの問題ではなく、地球を好き勝手に使ってしまっている人間が、ほかの生き物をどれだけおもいやる心を残しているかの問題。どんなかたちの共生が可能か、地域ごとに知恵を出し合う時代ですよね。
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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本当にノラネコ排除なんて考えは止めて、この紹介されていた地域が全国に広まって欲しい!と心の底から思いました。
ネコって安心しきっていると、ホントにこんな姿で寝ちゃっていいの?って姿で眠ったり、コロコロと転がってお腹を見せたりと可愛らしさ全開なんですよね♪きっと、ノラネコが嫌いな方だって、そんな姿を見たならば癒されるはず・・・^^最後に重そうな?ネコちゃんを愛しそうに抱っこしている女の子の写真がすごく印象的でした。
私の住んでる街もこんな姿を当たり前な光景として見られるようになるといいな・・・
by ☆リン☆ 2011-11-22 17:14
「地域猫」全国に広がって欲しいです!
昔は「路地裏に猫がいる」が当たり前だったのに。いつからこんな
「野良猫削除」になったんでしょう?
by もりゅこ 2011-11-24 00:43
私も地域猫を広めようと活動をしていますが、なかなか地域の理解を得られず苦労しています。
野良猫だって人間が共存する努力をすれば、立派なコミュニティの一員として幸せに暮らせるはず!
そんな世の中が当たり前になるよう、これからも地域猫活動を続けていきたいと思っています。
それにしてもこの参道の猫ちゃんたちみんな幸せそう♪本当に素敵なモデルケースですね!
by sakuramoegi 2011-11-24 13:16
女の子が猫ちゃんを抱っこしている写真、とっても素敵です!
by 名無し 2012-01-08 19:38