以前にこのブログで紹介した、川口市のカフェ・ド・アクタの黒猫ネロちゃん。しばらく見ないうちに、すっかりりりしくなっていたのには、先日びっくりでした。
ネロは、一昨年の盛夏に、都内の公園に捨てられ、裂けたお腹から、腸を引きずってさまよっていた仔猫です。アクタでは、その3月に看板猫メイちゃんを17歳で見送ったばかり。しばらくは新しい猫は飼う気にはなれないとのことでしたが、私が電話で事情を話すと、オーナーの幹子さんが「うちの子に」と言ってくださったのでした。
じつは、最後まで、まだ猫を飼う気にはなれないと、反対していたのは、ご主人だったそう。そのご主人は、いまや、ネロにメロメロです。「思い切って受け入れて、ほんとうによかった」と、幹子さん。川口はいま、建設ラッシュで、外に飛び出すと危ないので、店の営業中は店内でも長い紐でつながれているネロ君です。店の前にある猫小屋は、先代メイがつかっていたもので、そろそろネロ君には窮屈になってきました。
猫小屋から、電柱のドバトを見上げるネロ君の目は、ハンターの目。ぼく、ワイルドだろ?って言っているよう。うん、かなりオトコっぽくなったよ! ネロ君、毎晩、このうちのお父さんの腕枕で寝てることは、みなさんには内緒にしておくね。
そんなネロ君がおぼっちゃまに見えるような、ほんまもんの「ワイルドだろ?」猫に、先日、出くわしました。
とある駅裏の公園には、何匹もの猫さんが暮らしています。その猫さんたちと遊んでいたところ、猫さんたちが、きゅうに一斉にこそこそ物陰に隠れたのです。猫さんたちが見上げる先には、塀の上から、公園を見下ろすまさにワイルドな白黒猫がいました!
私は、これほど、目力があって、筋骨隆々の精悍な猫は見たことがありません。一瞬のお出ましでしたが、かっこいいいなあ・・・とみとれてしまいました。(雌だったら、たいしたものですね(笑))。
さて、ネロ君とのご縁もあって、今月28日まで、アクタ店内で、「町の猫(こ)、村の猫(こ)、海辺の猫(こ)」という写真展示をさせていただいています。
定休日は、月曜、火曜、第2第4日曜日。営業時間は、12時から19時。川口市栄町2の8の4。ネロ君も待ってます。お近くの方は、ぜひのぞいてみてくださいね!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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