夏の暑い盛り、猫たちはいったいどこにいるのでしょう。
35度の暑さだった先日、いつもの漁村へいってみると、まさに猫の子1匹見当たりませんでした。いつもだったら、護岸の上やら、船の上やら、道ばたやら、わらわらいるのに。
すれ違った猫好きの漁師さんが「こう暑くっちゃ猫たちも昼間はまったく姿をみせないよ。どこにいるのやら」と笑って言います。ついでに、「アンタは元気だねえ」と。
でも、どっかにいるはず。あっ、あんなところにいました! 民家と民家の隙間のひっそりした小道で、一家と思われる数匹がまったり。
小さい4ひきは、この春うまれた子たちです。お父さん(?)やお母さんに守られるようにのんびりお昼寝中。涼しくなるまでこうして過ごして、夕方ごはんをもらいに出ていくのでしょう。
この子は、おなかを土につけてのびていました。うえにむけた足の裏がなんともキュートです。
この子は、風に揺れる木々の葉っぱを眺めていました。
涼しくなった夕方、いつものように村のあちこちに猫さんたちがぷらぷらと歩き始めました。仔猫たちは、草むらでおいかけっこです。クーラーなんてなくても、ちゃんと漁村の猫たちは、暑い日の処しかたを知っているのです。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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