8日間のモロッコへの新婚旅行から帰ってきたばかりの、石垣島在住のコウスケ・マドカ夫妻から、こんな便りをもらいました。写真もどっさり同封してあって、ほとんどがマドカさん撮影の猫写真です。
『モロッコは別世界でした。迷路のような街にたくさんの人が行き交うマラケシュ。ノマド(遊牧民)がヤギをつれて移動する砂漠。土作りの家に住むベルベイ人。フランスの香り漂う海辺の町エッサウィラ。どの景色も素敵でしたが、この旅を何より面白くしてくれたのは、地元のモロッコ人、そして、自由に街中を闊歩する猫たちでした!』
『誰もが、ウェルカムモロッコ!と言ってくれて、アラビア語もフランス語も話せない私たちに、苦手なはずの英語でおしゃべりしてくれます。行く前、ぼったくられないように注意して、といわれ、絶対にだまされないぞ、と思っていましたが、モロッコで過ごすうち、そんなことどうでもよくなってきました。彼らならいいかと思うほど、なんというか、モロッコ人はかわいらしいのです』
『モロッコでは、猫を飼っていない家はないのだとか。街中にも、路地にも、海辺にも、市場にも、猫がいます。特別ちやほやされてるわけではないけれど、人間に邪魔されることはありません。びくびくすることなんてなく、自分の好きな場所で自由な暮らし。人の家に入っていって家猫になるのも自由、路地にいついて路地猫になるのも自由、それは猫が決めることなんだそうです』
『逃げる猫には一匹も会いませんでした。日本から持っていったキャットフードを道ばたであげていたら、モロッコ人から「ありがとう!」と言われました。道ばたで餌をあげて、お礼を言われるなんて、初めてです!』
『帰ってきて一週間。もう次のモロッコ行きを夢見ています』というふたり。コウスケさんはアウトドアのガイド、マドカさんは手作りシーサー工房で働いています。石垣島では捨て猫捨て犬が多く、ふたりの家には、保護した犬1匹と猫3匹がいます(そして、なぜか近所のおじいちゃんの飼っている犬もいりびたり)。一生懸命働いて、また、ぜひモロッコへ!
モロッコは、北アフリカの北西端の国。アルジェリアと西サハラにはさまれ、イスラーム圏に属します。イスラームの開祖マホメッドは大の猫好き。外出しようとして、愛猫が服の袖の上で寝ているのを見た彼は、その袖を切り落として、片袖の服で出かけたんですって!気持ちはよーくわかりますが、私なら別の服で出かけたでしょう(笑)。
写真で見るモロッコの猫たちは、日本の猫たちと姿かたちは変わりませんでした。でも、町の風物詩として、その存在をだれにも脅かされない、のどかな暮らしぶりはかなり違うようです。「いいなあ」とため息をつかずにはいられませんでした。
マドカさんに聞いた話では、犬と猫の飼育環境が最悪とされていた石垣島では、今年、『南の島の猫アイランド事業』が立ち上がったそうです。『しっぽの会』と石垣市が手を繋ぎ、犬や猫を殺さない、不幸にしないことを宣言。全島あげての地域猫対策に取り組み始めました。捨て猫の名所だった場所の100匹以上の猫たちの、避妊・去勢手術をすませ、餌やりを続けるとともに、子猫の里親探しを始めたところです。
国レベルではまだ無理でも、この取り組みがいろいろな町や市、そして県に広がっていきますように!!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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名画を見ている気がします。
いいですね、猫が怯えることなく暮らせる街は平和で人々も温かい。
私もモロッコに行ってみたい・・たくさんの猫がいるから遠いですけど。
ちなみにマホメット様は猫が好きだけど犬嫌いなので、犬は不浄とされています。
by しん 2012-11-28 00:03
ねこが風景に溶け込んで、なんてしぜんに見えるんでしょう~*
素敵なお写真ですね~~!
by りょう 2012-11-29 14:54
猫好きにはパラダイス!な国ですね、モロッコ。
一度行ってみたいです。
by しのりゅう 2012-11-29 14:54
猫好きにとってはパラダイス!な国ですね、モロッコ。
一度、行ってみたいです。
by しのりゅう 2012-11-29 14:59