「猫と暮らしたい家」といったら、みなさんはどんな家を思い浮かべますか? 海辺の家も森の中の家も楽しそう! でも、現実は、なかなか そうはいきません(笑)。ちいさな家で、ソファをのっとられたり、棚に飛び乗られてものを落とされたり。猫5匹にじわじわと居住空間を侵食されつつあるのが、我が家の実態。
猫びより1月号の特集は「猫と暮らしたい家」です。キャットウォークやサンルームなど愛猫のために至れり尽くせりの工夫を凝らしたおしゃれなおうちがいくつか登場。そのなかに、一軒、「毛色の変わった」お宅が・・・。私が提案・取材した、みいちゃんのおうちです。
白猫みいちゃんはもと捨て猫。築150年以上の古民家に暮らす一家に拾われ、のびのびと里山生活を満喫しています。名ハンターでもある彼女の眼は、そのへんのヤワなペット猫とは違って、「生活」している動物本来の眼光を持っています。
「ひと昔前の猫って、こんな風に、束縛されず、でも、地域に認知されて、自由に好きな場所をみつけて過ごしていたんですよね」という飼い主の言葉が印象的でした。住宅事情もあっていまは室内飼いが主流になりましたが、本来の猫の生活はこうであったことを、私たちはけっして忘れずに猫たちに接してやりたいと思うのです。みいちゃんの昔猫的生活ぶりは、ぜひ猫びよりでごらんください。
みいちゃんのようなうらやましい生活を送る自由猫は、漁村や農村部にはまだまだいっぱいいます。手賀沼のほとりの町で出遭ったキジトラのティーガちゃんもそうでした。
ティーガちゃんのおうちは、もと牧場主。馬小屋を改造した「志葉斎(しようさい)」というギャラリーがあって、ここを訪れた客は、帰りにティーガちゃんのお部屋(彼女は自分の部屋を持っている!)に招かれ、おいしい珈琲をふるまわれます。
そんなティーガちゃんも、もと捨て猫。畑わきの小道で啼いていたところを、志葉斎オーナーに「うち、来る?」と声をかけられ、大喜びでついてきたのだとか。
オーナーの女性は言います。「牧場をやってたころは、捨て猫を土手でしょちゅう拾ってました。馬小屋に干した藁をしいてやると、まず猫が寝て、犬も隣に寝て、馬は猫や犬を踏まないようにしていました。猫がいちばんいばってたかな(笑)」
ティーガちゃんは、おばあちゃんの畑にお供して、野菜のあいだでひなたぼっこするのが大好き。庭を駆け回るティーガちゃんの姿に「こんな自由猫、いまどきめずらしいですよね」とつぶやくと、オーナーさんは不思議そうに「私たちは外を走り回ってる猫しか知らないから」とおっしゃってました。
帰りは、馬小屋ギャラリーの屋根から見送ってくれたティーガちゃん。せめて漁村や農村部だけでも昔猫的生活が残っていきますように。自由な猫を見ていたら、こっちの心もひろびろ自由になりますから。
帰り道、すぐ近くの農家の縁側に、こんなかわいいキジトラさんがいました。障子やカーテンの惨状(笑)から、この猫もやはり、昔猫的自由生活を満喫しているようでした。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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いいですねー。
ウチの猫は自由に出歩けないので、うらやましいです。
自由にしたらしたで、心配になりますけどね^^
by しのりゅう 2012-12-23 17:50
初めまして、、、久しぶりに志葉斎を検索してみましたら、こちらブログに気付き! 拝見しました。 志葉斎は去年の春に、仕事の見積後立ち寄りました。 私が去年の5月頃に、隣の農家の外部の塗り替えをしていましたら、 この家の おばあさんと息子さんが、畑で3匹の子供の捨て猫を拾ってきて「かわいそうだから」と言って飼う事にしたのでした。写真の廊下に干してある帽子はおばあさんのものです。 3匹の猫達も、大きくなったかな? 今年の春はギャラリーに行きたいです。 オイラも低級なブログ「ジャンク職人の部屋」で布佐の事を載せてみました。
by いつも素敵なヒデちゃん 2013-03-16 19:14
>いつも素敵なヒデちゃん さん
コメントに気づかず、すみません!! なんと、今日気づきました。さっそくジャンク職人の部屋のぞいてきました。志葉斎のことを書かれていた日にコメント書き込みました。また布佐へ行ったら、大きくなった3匹に会えるかな?
by 道ばた猫 2013-10-09 04:12