花散らしの風雨で、あっという間に桜も散ってしまいました。それにしても、桜に猫は、なんとよく似合うのでしょう。桜を背景に猫を撮りたい!というのは、猫写真を撮っているひとたちの永遠のテーマのようです。
わたしも、わざわざ桜猫を探しに出かけたりはしないものの、出先でふと出遭った桜の下に、どこにでもいるような猫がのんびりくつろいでいると、「おおっ!」と、心がざわめいてしまいます。
先週、小江戸川越での取材のかえり、お寺の境内を通りかかると、鐘つき堂で、黄色い猫が熟睡していました。この猫さんは、「とら」とか「ちゃー」とか思い思いに呼ばれて、みんなに可愛がられている、この寺公認のノラさんです。誰にでも撫でられるので、桜の季節は撫でられまくって、ちょっとお疲れだったのでしょう。
その辺を歩いて、30分後に戻ってきたら、向きを変えて、まだ熟睡中でした。考えてみれば、本来の猫の活動周期は、1~2月が発情期ですから、桜の季節は、脱力モードになるのも無理はありませんね~
桜って、名所だけじゃなく、ほんとうにいろいろな場所に咲いています。小さな漁村の入り江でも、桜の木の下を、猫たちがのんびり散策しています。この2匹は、たぶん兄妹。
目つきのよくないワルオくんも、桜の下では、やけに叙情的に見えるから、不思議です。猫にも桜の美しさにうっとりする感性がきっとあるのだと、信じます。
花見客の多い公園や土手では、夕暮れになると、どこかにひそんでいた猫たちが出てきます。「やれやれ、ニンゲンって、なんで桜の下であんなに騒ぐんだろう」って言い合っているかも。でも、ひょっとしたら、猫たちも真夜中に花見を愉しんでいるかもしれませんね!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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今回も楽しませて頂きました。有難うございます。
佐竹さんの猫日記は私の唯一のオアシスです。
by レオ 2013-04-09 16:50
猫に桜、ほんとホッコリします(^o^)
ワルオくんの表情、イイですね!
by きなひろ 2013-04-09 21:53
桜と猫さん似合いますね♪
お寺のトラちゃん、の~んびりお昼ねo(_ _).。zzz...
いいなぁ~。
by りょう 2013-04-10 09:57
佐竹さんの写真っていつもいつも感動です
どーしてこんな風に撮れるんだろうって
よだれが出てしまいます
東北の桜はこれからです
私も『ワイルド猫と桜』挑戦してみます(^.^)/
by にゃにゃ 2013-04-10 17:39
>レオさん
うれしいコメント、ありがとうございます!なるべくさらりと、読後感がいいようにと、こころがけています。
>きなひろさん
ワルオくん、いい味だしてるでしょう。醒めたオトコなんです(笑)けどね。
>りょうさん
爆睡できるってことは、可愛がられている証拠。ほっとしますね!
>にゃにゃさん
nyaaくんと雪こそ、よだれです。ワイルド猫と桜、すごーく似合うと思います!
by 道ばた猫 2013-04-17 23:05