[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

　見るからに、相思相愛。見ていて思わずニコニコしてしまうこのカップル。栃木県佐野駅すぐ近くにある、軽食と喫茶の店「くいどーらく」のマスターとキジトラ猫のタロウくん（5歳）です。

　タロウくんは、マスターが大好き！　マスターだって、こんなに甘えられては、まんざらではありません。

　あっ、お客さんの少ない時間帯をいいことに、お姫さま抱っこまでしてもらってる！
「あーあ、見てられないよ...」と、呆れ顔で、店の片隅の箱の中から、見下ろしているのは、2歳の白猫シロウくんです。

　2匹とも、母猫とはぐれたのか、捨てられたのか、店の裏庭にいた仔猫でした。タロウがやってきたのは、5年目の秋。バイク小屋にいるのを、マスターに見つけてもらいました。お店を一緒にやっているマスターのお母さまの話によると「ちょうどうちで２１年も飼っていた黒猫のチャメ子が死んだばかり。それで、タロウがきて、チャメ子の死んだ悲しみをまぎらわすことができました」
　タロウくんは、自分を最初にすくってくれたマスターにべったり。寝る時も一緒。お店でも、マスターを目で追っています。
　シロウ君は、2年前の冬、裏庭の雪の上にいました。お母さまが言うには「よほど、肉球が冷たかったのでしょう、小さな足を雪の上でふみふみしていてね・・・・それがあまりにいじらしかったものだから」と、2匹めの猫に。

「2匹が同時に店内にいることなんて、ほんと、めったにないんですよ～。きょうは、不思議。片方が店にいたら、片方はその辺見回りにいってますもの。向かいの飲み屋横丁とかあちこちに友達（猫）がいるみたいで」。2匹は、喧嘩はしないけど、距離は保つ間柄。お客さんにもフレンドリーなタロウくんに対し、若いシロウくんはちょっと人見知り。ちょっと困り顔がチャーミングなシロウくんです。

　お店の入口には「店内に猫がいることがあります」と貼り紙がしてありますが、それに気がつかなかった女性ふたり連れのお客さんが、支払いの時に猫がいるのに気づき、「わあ、猫がいる！かわいいっ。あっ、あそこにも猫が！　またこの店来ようっと」と、タロウくんをなでなでして、ご満悦でした。

　この甘え上手のタロウくん、先日、10日ばかり行方不明になったそうです。探し回れど見当たらず。ひょっこり帰宅したとき、傷の手当がしてあって傷は治りかかっており、おなかもすいてなさそうで、しかも毛からはハーブっぽいいい匂いがしたそうです。ちゃっかりとどこか優しいお姉さん（？）の別宅で養生していたようです。

「この町はね,昔から猫がかわいがられていましてね、この駅前商店街が区画整理される前までは、小さな個人商店がずらり軒を並べていて、あそこの店のおかみさんは黒猫、あそこの店の女将さんは白猫、あそこの店のご主人は三毛猫を抱いていたりと、いろんな猫が可愛がられていたものです」と、マスターのお母さま。ああ、そのころの商店街を歩いてみたかった！！

　マスターが、7年くらい前まで、この商店街のみんなに可愛がられていたという、今は亡き伝説のボスの写真をケータイで見せてくれました。みんなに思い思いの名で呼ばれていたという、なんとも味な顔の雄猫。ここでは「ぶち」と呼んでいたそうです。

　町じゅうで猫を可愛がる名残りがのこっているのが、なんとも嬉しい町、佐野でした。（市内のとある歴史ある山には、猫が何十匹も住み着いていて、それぞれの猫グループにごはんを運ぶ人がいました）

　さて、相思相愛と言えば、以前の猫日記「崖を登ってきた猫」でご紹介した印旛沼のほとりのギャラリー喫茶「風草」の風ちゃんと、オーナーの美子さん。

　大腸系の持病を持つ風ちゃんは、この夏調子が悪く、退院してきたばかりですが、風草の深まりゆく秋をのんびり楽しんでいました。

　いま、この風草では、「風猫展」という猫を愛する地元作家たちの猫作品展を開催中。（26日まで）　私も飛び入り参加しています。猫実珈琲店さんの新作、猫型和三盆も、ここで初売りしていますよ。お近くの方は、ぜひのぞいてみてください。