[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

　先日のこと。ふだん通らない道を車で走行中、とある喫茶店の看板が視界の隅に入ってきて、ん？と琴線にひっかかりました。　この先に用があったのですが、迷わず引き返し、珈琲を飲んでいくことに。
ドアには、こんな貼り紙が。「猫好き大歓迎。猫嫌い回れ右！」

　なんてストレートな店なのでしょう！大いに気に入り、店内へ。そして、ふと、足元に目をやると・・・。



　まだ３～４カ月くらいの子猫がピカピカの目をして「遊んで！」とばかり見上げています。店の名やドアの貼り紙から、相当猫好きのオーナーで、相当猫好きの集まる店とは一目瞭然だったものの、まさかナマ猫がいるとは！それもとびきりキュートなかぎしっぽの黒チビちゃん。

　マスターは若く、お運びのお手伝いをなさっているのはお母さま。私が猫好きとわかるや、おふたりで子猫の由来を話してくださいました。
　子猫は、「あーちゃん」こと「あずき」ちゃんで、推定昨年９月末生まれの女の子。生まれて間もない時に、近隣の町の麺屋裏の駐車場に、お兄ちゃんと２匹で捨てられていたそうです。保護主のかた→店のお客さん経由で、里親募集の話がここに回ってきたのでした。すでにシェルターや里親募集先から保護猫２匹を引き受けて自宅で飼っていて、「今度もしもらうとしたら、飼ったことのない黒猫がいいなあ」と内心思っていたマスターでしたが、検討段階で、店の奥から「もらいます！」というきっぱりとした声が飛んできました。お母さまでした（笑）。

　保護主さんが実際にあずきちゃんを連れてきたときには、「すみません・・・」と恐縮なさっていたとか。拾われた時は「真っ黒な子猫」ということでしたが、なぜか胴体がだんだん墨色っぽくなってきたのですって。（お兄ちゃんのほうは真っ黒なままで、もらわれた先でやんちゃの限りを尽くしているそうです）。もちろん、墨色っぽいのは、いまのあずきちゃんの魅力のひとつです。



　お店の壁に飾ってあるのは、マスターの撮った先住猫コンビ、サスケ（茶白）とプーさんことプー助（キジトラ）の写真です。３匹は仲良し（あずきちゃんがいつも鷹揚なおじさんたちを攻撃）なのですが、あずきちゃんはまだ幼いので留守番は心配で、営業中はお店に連れてきているのだとか。でも、子どもから年配客まであずきちゃんファンがどんどん増加中なので、このままお店への出勤は続くにちがいありません。大きくなったあずきちゃんもまた魅力的でしょうね～



「可愛いなあ～」と口々に言うお客のお兄さんグループに囲まれるあずきちゃん。



おせんべいの外箱に飽かずシューティングをするあずきちゃん。

　私のバッグにすっぽり入り込んでしまったあずきちゃん。「悪魔なのか、天使なのか」と言いたいくらいに魅惑的ななあずきちゃんを見ていると、時間のたつのを忘れてしまいます。それに、ここはとっても居心地がいいのです。あずきちゃんは遊び盛りのやんちゃ姫ですが、お客様に失礼のないよう、ちゃんと心得ています。
　カウンター席に座るなじみの猫好き中の猫好きには、肩に乗ったりパンを分けてもらったりの甘えぶりですが、フロア席でお食事中のお客様には粗相のないようふるまっているのは、さすが！かなり賢い子のようです。

　聞けば、なんと、あずきちゃんは最近この店の「店長」さんに就任したらしいのです。

　珈琲を淹れるマスターの手元を、カウンターから身を乗り出して真剣に監督しています。淹れ終わると、「OK！」という表情。「店長に使われている雇われマスターです（笑）」と、あーちゃんが可愛くてたまらない様子のマスター。
　猫好き集まれ！のこのお店、マスター手作りのハンバーグや生姜焼き定食もおいしくて、店長さんにも会いたくて、これからもたびたび足が向かってしまいそう。そうそう、お店の名前を言い忘れるところでした。



　ね、引き返したくなった気持ちがわかるでしょう？　キュートすぎるあずき店長からの伝言です。「猫好きのお客さん、近くまで来たらぜひ寄ってニャッ。アタシと一緒に遊んでニャッ」とのことです。（キジトラ亭・・・千葉県柏市中新宿　　火曜定休）