新発売に先駆け、イラストレーターの白石チエさんにインタビュー
第4回 チエさんとの商品企画
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→ 第2回 チエさんとネコ雑貨
→ 第3回 チエさんの雑貨企画
フェリシモ猫部から白石チエブランドが誕生し、商品が掲載されたカタログもできあがりました!
白石さんの絵は、東欧の絵本を思わせるような、どこかなつかしい雰囲気が魅力。そこで、猫の絵本をイメージした物語のある雑貨を作ることになりました。
試行錯誤を重ねてできあがったのが、ひと柄ごとにストーリーのあるトートバッグとふせんメモです。いったい、どんな物語がひそんでいるのか、商品に込めた思いを語っていただきました。
Kraso Style編秋冬2014-'15の187ページに掲載しています
〈〉1.猫が登場する絵本シリーズ、実はふせん紙〈〉
─ 豆本みたいな台紙を開くといろんなふせんがセットされています。6冊それぞれに独立したストーリーがあるんですよね。
白石) はい。全部並べたらミニミニ絵本シリーズに見えるように、タイトル文字にもこだわりました。カラーバリエーションもそれぞれ変えてあるので、ならべて立てかけたりしたら、机まわりのインテリアとしても色彩がきれいですよ。
それぞれの物語もちゃんと考えて作ったので、表紙の裏に短い読みものとして印刷しています。イメージをふくらませながら読んでいただけたらいいなあと思っています。
ミニ絵本のような装丁なので、本棚にならべてもかわいい。
─ 商品でしか読めないお話ですが、猫ブログの読者だけに、ストーリーの一部をご紹介します! 続きはぜひ商品を手にとってご覧くださいね!
◆A Giant Lost Child(大きな迷子)
ニコラスの夢は、自分よりも100倍くらい大きな魚を釣ること。毎日、釣竿を手にカモメの鳴く海に出かけます。海面がキラキラと輝くおだやかな波の日......
◆The Tale of a Girl Who Wants to Be a Cat(猫になりたい女の子のお話)
わたしは猫になりたいの。ふわふわな毛並み、大きなおめめ、しなやかなしっぽがわたしのあこがれ......
◆I Am Not a Cat.I Am the King of Beasts!(ぼくは百獣の王である。ネコではない。)
ペルシャ猫のレオナルドは臆病者。生まれてはじめて行った散髪屋さんでも、小さくなってビクビクしています。ところが......
◆Over the Rainbow -The Adventures of Chrome-(虹の彼方に〜クロムの冒険〜)
真っ黒な毛並み、灰色の瞳、白いヒゲ......からだにきれいな色がないことを悲しく思っていた猫のクロムは......
◆A Present From Spring(春がくれたプレゼント)
近づく春に誘われて、キャシーはお花を摘みに出かけます。森の中で珍しいお花を見つけたのに......
◆I Wish I Could Fly(鳥のように飛べたなら)
アパートの窓辺で毎日外ばかりながめている3匹の猫がいました。4階に住む彼らに外の話を聞かせてくれるのは......
─ 1冊でも楽しめますが、6冊そろうと楽しい物語の世界がぐんと広がりますね。
白石) フェリシモ猫部には幅広い年齢層のお客さまがおられると聞いています。学生さんのおこづかいでも買えるもので、それでいて、今までにないものを表現できたらと思って、いろいろとアイデアを出し合いました。ふせんはお客さまからのリクエストが多いアイテムだということだったので、お友だちへのプレゼントなどにもしていただきたいですね。
宣伝部長もしっかり宣伝中♪
【担当プランナーからひとこと】
白石さんの世界観をどどんっと楽しんでいただけるように、イラストはもちろんお話のあらすじやフォント、色までこだわりました (特にフォントは何度も試作しました!)。
ふせんとしてだけでなく、台紙の内側にもかわいいイラストがあったり、読みものとしても楽しめたり、絵本のような仕上げは集めて並べるとインテリアにもなるんですよ。
東欧の絵本を思わせるような、あたたかくこっくりとした色合いなので、どこか懐かしい雰囲気を楽しんでいただけるとうれしいです!
〈〉2.ネズミが猫に片思いするバッグ〈〉
─ トートバッグは、猫とネズミのお話なんですね。
白石) はい。バッグの主役は猫のマルコとネズミのレベッカです。ネズミの女の子レベッカが、猫のマルコに片思いしているという、ちょっと甘酸っぱい恋物語が背景です。
「トムとジェリー」に代表されるように、一般的にはライバル関係とされている猫とネズミが一緒にいる、という設定がおもしろいかなと思って考えました。マルコとレベッカは仲良しの男の子と女の子なんです。ただ、マルコは猫だけにマイペースで、ちょこちょこと揺れ動くレベッカの恋心に気づいているのか、いないのか......。
─ バッグに描かれているのは、そのお話のワンシーンということですね。お話も読めるんですか?
白石) 簡単なあらすじみたいなお話を情報カードに掲載して、バッグと一緒にお届けします。マルコのふとした言動に一喜一憂するレベッカがかわいらしくて、初恋の切なさにキュンキュンしますよ(笑)!
─ こちらも猫ブログの読者だけに、ストーリーの一部をご紹介します!
今日は木馬に乗ってふたり仲よく遊んでいます。ふと何かを思いついた猫のマルコは、自分のしっぽにねずみのレベッカ用のブランコをつくってあげました。はじめは大喜びのレベッカでしたが......
3 時のおやつは、いつも仲よくはんぶんこ。今日のおやつは猫のマルコが森でとってきてくれた、ねずみのからだよりも大きなりんごです......
今日の猫のマルコは朝からずっと読書に夢中です。一緒に外で遊びたかったねずみのレベッカでしたが、マルコは全く相手にしてくれません。しかたがないので庭に咲いていたマーガレットを摘んできて、しっぽの上で恋占い......
─ 夢のあるバッグですね。かわいいイラストなのに、シックで持ちやすそうな印象です。
白石) 大人の女性にも持ってほしいので、どんなシーンでも使えるものを意識しました。「こんなバッグ」と企画提案したイラストを元に、フェリシモのプランナーさんがイメージ通りのバッグを試作してくださったんです。
ちょっと丸みが感じられる形で、通常のトートより少し小さめのサイズ。まちが付いているので、荷物もきれいに収まります。持ち手もおしゃれに、一本にしました。イラストの色にもこだわっていますので、秋色の装いにも合わせていただきやすいと思います。
【担当プランナーからひとこと】
白石さんの独特のタッチと色遣いを存分に楽しんでいただけるよう、イラストはできる限り大きく載せて、プリント方法にもこだわりました。プリント工場の方にもご協力いただき(なんども試し刷りをくり返して、色味を調整していただきました!)、ちょっとレトロであたたかみのある雰囲気がにじみ出る、素敵なバッグに仕上げることができました。
企画中は私自身もふたりの(2匹の?)恋模様に思いをはせて勝手にいろいろ妄想し、「マルコもきっとレベッカをかわいいと思っているはず......がんばれレベッカ!」と、心の中でレベッカにエールを送ったりしていました(笑)。この商品を手にしてくださったお客さまにも、ぜひこのストーリーを元に、ふたりのハッピーエンドを妄想していただけたら幸いです!
4回にわたってご紹介した、イラストレーター・白石チエさんのインタビューはいかがでしたか?
商品のWEB販売は9月9日(火)からを予定しています。ほんとに素敵な商品なので、ぜひチェックしてみてくださいね!!
白石チエさんプロフィール
1982年生まれ、山口県防府市出身。現在は大阪在住。フリーのイラストレーターとして作品を発表しながら、デザイン会社へも勤務し、挿絵などの商業イラストも手掛けている。主な仕事に、関西のショッピングモールの広告ポスターやチラシ、英語教材絵本、イベントDMなどがある。
自作の雑貨を兵庫県立美術館ミュージアムSHOPなどで販売するほか、原画展なども開催している。海外の絵本に強く影響を受けたノスタルジックな雰囲気の世界観が魅力。
http://chie55.web.fc2.com/about.html
お知らせ
この秋、白石チエさんの原画展が開催されます!
「白石チエ 原画展」
猫をモチーフにした猫だらけの展示です。
2014年10月7日~10月19日 ※10/14は定休日です。
場所/CEDOKzakkastore (チェドックザッカストア)
お店HP→http://www.cedok.org/
白石さんの在廊日時については、白石チエさんのブログでご確認ください。
→http://ameblo.jp/chie198255/