[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

遠く江の島の海を見下ろす高台の町で、マリコさんご夫妻は１３匹の猫と暮らしています。

１３匹はすべて、元ノラ。それぞれわけありで、ほっておけず、保護した猫たちです。そのうち、９匹がシンガポールの街なかにいた猫で、１０年前にはるばる日本にやってきました。



シンガポールの猫と言っても、日本猫とさして変わりませんが、　逆三角形の小ぶりの顔に、よく光る大きな瞳のエキゾチックな子もいれば、こんな個性的な馬面模様の子もいます。

マリコさん一家は、１０年前まで１６年シンガポールで暮らしていました。とくに猫好きだったわけでもないマリコさんでしたが、シンガポールはそこかしこに飼い主のいない猫が歩き回っている街。けがをしている子猫や具合の悪そうな猫に出会うたび、連れ帰って治療して里親を探そうとしたそうですが・・・。

「２、３日面倒を見たら、情がうつってしまって。いつの間にやら猫にハマってしまい、あれよあれよと保護猫が増えていき、アパートから一軒家に引っ越したの（笑）」

コテツくんは、大怪我をしていた前足を手術して、金属棒が入っています。
「コテツはとても人間くさい子なんです。毎晩一緒に寝ているんですが、他の子の具合が悪くて何日かその子に添い寝してやったあと、主人に添い寝を替わってもらい、コテツに『今日は一緒に寝られるよ』といったら、「やったあ、やったあ」と大はしゃぎしてぴょんぴょん跳びはねたんですよ～」

帰国する時、猫たちが日本の気候に順応できるかどうか不安だったそうですが、すんなりと順応。猫部屋からはテラスにも中庭にも自由出入りできる猫仕様の家で、のびのびくつろぐ猫たちです。やはり、暑さにはつよいようで、暑い日もテラスのひなたぼっこがお気に入り。



中庭には空に向かう段々があって、本当に気持ちよさそうです。



日本に帰ってきてから保護した猫も４匹。必死に子育てしていたヤンママのジンコちゃんと、その息子イクラとウニ。そして、マリコさんの描いたパステル画の下でくつろぐソウゴロウ。

１３匹の猫との暮らしは、大変なことも楽しいこともいっぱい。
「朝は５時前にみんなに餌をやることから１日が始まります。掃除も１日でもサボると毛だらけになるし。猫トイレの取り替えもタイヘン。１３匹もいると、ゆるいウンチがあっても誰のかなかなかわからない（笑）。健康管理が一番の苦労ですね」

現在の最年長は、シンガポールから来た黒猫のマガリじいさんで、１８歳近く。糖尿を患い、インシュリン治療を続けています。
「マガリには、きょうだいのシッポナがいたんですが、ふだんは知らんぷりだったのに、シッポナが臨終のとき、頭の先から足の先まで舐めつくしてやったんですよ。ちゃんとお別れをしたんですね。猫をたくさん飼っていると、大変なことも多いけど、いろんな場面を見せてくれるし、１匹１匹がそれぞれ可愛いから可愛さだって１３倍。ただ・・・つらいのは、見送るときです。死なない猫がほしい！！っていつも思うの」

１３匹のみんな、お母さんを悲しませないよう、長生きしようね！　
毎日、元気にお母さんの手を煩わせること、それが一番の恩返しだから。