[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさま、こんにちは。今日は読者の方々がお寄せくださったご相談からひとつ取り上げさせていただきます。

＜兵庫県　Ｋさまより＞

我が家の１５歳の雌猫、ルウについてご相談いたします。



ルウは子猫の時に拾い、２年後に新たに５～６ヵ月の子猫を飼い始めてから凶暴性（？）が出てきました。私が新しい子のことをかわいがりすぎたのが原因なのかなと思うところもあります...。今となっては反省です。この間、ルウのほかに２匹の猫を飼いましたが、今は２匹とも病気で他界してしまいました。

同居猫とはたまに追いかけっこなどの遊びをしていましたが、一緒に寝ることはまったくなく、寝てるときは同居猫に黙ってなめられていましたが、自分からは決してその子に毛づくろいすることはなく、逆に噛みついていました。

私は猫の里親探し活動をしているため、うちには一時保護の猫が次々と出入りしています。同居猫とはたまに追いかけっこなどの遊びをしていましたが、一緒に寝ることはまったくなく、その中の誰とも仲よくなりませんでした。

２年前からはやっと1匹の暮らしに戻り、ルウもちょっと落ち着いてきましたが、私にも爪も切らせず、切ろうとするとシャーと怒って噛んできます。一度に１～２本切るのが精一杯です。かと思うと、甘えてくるときは顔をベロベロ興奮気味になめてきます。抱っこは嫌いなので噛みますが、自分からはひざに乗ってきたり、寝るときは足の間に入って寝ています。

トイレは２個あり毎日お掃除もしているのに、おしっこをする時、入り口にお尻を向けるので全部外に出てしまうことが度々あって困っています。女の子なのに。。。

ほかにも、今まではまったくといっていいほど鳴かなかったんですが、１匹になってからはお返事などでよく鳴くようになりました。夜電気を消すと暗闇で鳴いて、呼んでも来ません。人が恋しいわけではないのかな？  私がお風呂に入っているときもよく鳴いています。

これらの行動は何が原因なのか知りたいと思ってご相談しました。どうぞよろしくお願いします。

＜岩津さんより＞

「私ね、お姉ちゃん（Ｋさん）のことなんでも知ってるし、何でもわかってるの！」とやや興奮気味に、「一番の理解者は私なの」と自己紹介してくれました。
過去の日常の映像が見えてきました。ルウちゃんが、「また言ってる・・・」とつぶやきます。その視線の先には、天国に逝った子を想うKさんがいます。

まだ同居猫の皆が生きてるころ。ルウちゃんはずっとKさんを見つめていますが、Kさんは他の猫たちのお世話などで忙しく、ルウちゃんと「目を合わせる」ということをあまりしていません。

ひと通り過去を見終わると、ルウちゃんは「ねえ、なんでだと思う？ なんで私を見てくれないの？ 私はここにいるのに。私じゃだめなの？」と次々と私に質問します。ルウちゃんはまばたきひとつせず、私の返事を待っています。見つめ合っていると、そのまんまるの瞳に涙がたまり、ポロポロこぼれて止まりません。

「ずっと我慢してたもんね。ずっと寂しかったね。」と私が言うと、こくりと頷きました。

天国に逝った子、保護した子たちと仲良くなれなかったのは、「私を」見てほしかったからです。目を合わせて向き合ってもらえなかったことに傷ついたのです。爪切り時にKさんに怒ったり、おしっこを外すのも、「私のすべてを受け止めてほしい」という要求、甘えです。
ルウちゃんは気が立ち、怒りを抱えていますが、元々は傷ついたからです。悲しい思いをその胸に抱えきれず、怒ることで発散していたのです。怒りは悲しみの象徴だということを理解してあげて下さい。Kさんが大好きだから傷ついたのです。

ルウちゃんは今でも変わらずKさんが大好きだと教えてくれました。拾われて15年、ほかの子が来て13年、ずっとずっと大好きなKさんを見てきました。ルウちゃんのお話の中に、「私は」という言葉が頻繁に出てきます。ここからも、「他の子とは違うの。私が一番お姉ちゃんを思ってるの。」という気持ちが伝わってきますね。
ルウちゃんは、私が話している間もずっとKさんのことを考えていましたよ。愛されていますね。

ルウちゃんから、Kさんに伝言を預かりました。
「お姉ちゃん。私はね、ずっと一緒にいるからね。大丈夫だからね。」

Ｋさんが天国に逝った子を想い、悲しむ姿を見ているからこその言葉ですね。頼もしく、しっかりもののルウちゃんが、Kさんを生涯守ってくれるそうですよ。

愛する気持ちさえあれば、いつからでも関係は修復できますし、誤解も解けます。そしてすべてを受け入れてくれます。目を合わせて、たくさんお話しして、お互いの理解と愛を深めて下さい。Kさんとルウちゃん、末永くおしあわせに！

Ｐ．Ｓ
そうそう、暗闇やKさんが入浴中に鳴くのは、迎えに来てほしいそうですよ。ルウちゃん、今までの分もいっぱい甘えてね。

Ｋさまよりご感想をいただきました。

「感想が、何も言えないです・・・。ある程度、覚悟していたとおりの言葉だったので、今はルウに申し訳ない気持ちでいっぱいです。今、ルウがそばに居てくれるからこそ、亡くなった子達のことからも立ち直れていると思います。
岩津さんのアドバイス通り、これからもっともっと愛していきたいと思います。早くルウの待つおうちに帰りたくなりました！」

読者のみにゃさまが聞いてみたいうちの猫のあんな行動、気になるこんなことがあれば、いくつか岩津さんに答えていただけます。質問フォームからお願いします。

岩津さんにこんな企画してほしい、などもあれば「その他」の欄にお書きください。

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