「パト」くん、「東風(コチ)」くんのお家は5人家族(うち、人間は3人)。
今回の猫又候補は茶トラのパトくん(15歳・男の子)。本当の名まえである「パトリシア」は、「小さいころに読んだマンガにでてきた猫」から拝借したもの(娘さん談)。
不意打ち、びっくり顔ではありません。ストーブにあたっておくつろぎモードなのです。
娘さんは動物看護師
現在、パトくんの世話をしているのは23歳の娘さん。高校を卒業後、動物専門学校へ進学した娘さんは「これからパトの面倒は私が見る」と世話を一手に引き受けました。(なんてええ子や......。)
日に日に専門知識を身につけていったある日、パトくんの変化に気付きます。
「あれ?そういえば最近良く食べるぞ?!」
それはパトくんが12歳のときのこと。娘さんはすぐにパトくんを動物病院に連れて行きました。すると、血液検査の結果、甲状腺の数値が悪いことがわかったのです。でも、早期の発見が功を奏し、投薬ですぐに回復することができました。
両親から引き継いだ世話役を、娘さんはしっかり果たしているようですね。
ホッ。
本当はおばあちゃんの家で飼われる予定だったパトくん。 幼き娘さんはだだをこねて「うちで飼うー!」って。 そして今、その責任を果たしている娘さんはえらい!涙。 昔は人見知りだったパトくんも年を重ねるにつれ、「どうでもいいわ!」という感じに。
パトくんの食事メニュー
専門学校を卒業後、動物病院へ勤めた娘さんは、食事についての知識も豊富。いまはヒルズの「サイエンスダイエット シニアアドバンスド14歳以上」を朝晩に規定量与えています。甲状腺が悪いときは3kgだった体重もいまは3.4kgにまで増量。元気に東風くん(1歳10ヶ月)と追いかけっこする毎日です。(いやっ、たんに逃げているだけかも......。)
「またたびー!」が好き。 取材中、隣りの部屋へ追い出された東風くん。 「おれも撮ってよ!」と必死のアピール。
お薬の話
現在パトくんは15歳。年齢から予測される病気を予防するため、「ネフガード」と「コバルジン」という2種類の薬を1日2回与えています。(どちらも体内の毒素を吸着して尿として出すもので、効果を得るため2つの薬は時間をずらして与えています。)
「誰に触られてもいいように育てた。」とは飼い主さんの弁。もちろん病院でもおとなしいパトくんだから、錠剤も素直にぱくっと。 多頭飼いは予想外の好影響? 動物病院勤務で経験を積んできた娘さん。そんな娘さんに育てられたパトくんだから、長生きは当然のことかと思います。
「年の差のある多頭飼いが意外に良かった!」と娘さんは振り返ります。 新入りの東風くんを迎え入れたのは今から1年半前のこと。それまで寝てばっかりだった当時14歳のパトくんは、いきなり子猫と同居することになったわけです。遊んで欲しい東風くんと、追いかけ回されるパトくん。それが良い運動と良い刺激になったのではと。
気になる2匹の相性は良くも悪くもないという......。 パトくんの年齢のことを考え、もう多頭飼いは無理と決めこんでいた娘さんでしたが、東風くんと出会ってしまってその考えを曲げます。「もうかわいいくてかわいくて、衝動を抑えることはできませんでした。」とのこと。
「もし東風が女の子だったら受け入れていない。」(女の子は気が強いイメージなんだとか)と断言していた娘さんですが、そいつはどうかな?(笑)
東風くんはアメリカンショーヘアのシェーデッドという種類。 シルバーでキラキラ輝いておる! 「職業にするほど猫が好き!」と言いきる娘さんの顔も、本当にキラキラしていました。
一人っこだった彼女は、パトくんを弟のようにかわいがってきたといいます。専門学校、動物病院で蓄えられた知識をもとに、弟の面倒を見るように育て上げられたパトくんだから、この先も安泰だぁ。
前脚をあげるのはパトくんの"癖"。 しっぽは足にはさむタイプです。 パトくん、そこあったかいねー。 もう寝る? 寝たw おまけの東風くんギャラリー
ロック・オンかい? 遊んで! 遊んでー! 1歳10ヶ月の東風くん。 「もっとやってよぅ!」 パトくんとは違ってよう遊ぶわ。ハァハァ。 ケニア・ドイ ファースト写真集『
ぽちゃ猫ワンダー 』(河出書房新社)好評発売中
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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娘さんが専門的知識があるのが大きいです。
食べない=調子良くないはわかるけど、良く食べるのは食欲旺盛でいいことと飼い主自身が喜んで、放置しかねないですからね。
猫のお世話は難しいですね。
by Suica割 2015-04-11 16:21
Suica割さん
日々、観察。変化を見逃さない。これが簡単で難しいです。
by ケニア・ドイ 2015-04-15 09:53