メイちゃんと麻緒(まお)さん。
「いまから猫もらいに行くよ!」
いきなり母親からそう告げられ、わけもわからずついて行く当時11歳の麻緒さん。母親の友人宅で飼い猫が4匹の子どもを出産、その内の1匹を麻緒さんの家族が譲り受けたのですが、じつは急いでいたのにはわけがあったのです。ちょうどその日、父親が泊まりの出張で不在、それを狙っての犯行でした(笑)。父親に子猫の受け入れを相談すると、拒否される可能性があったためこのような行動に出たのですが、出張から帰宅した父親はその生後2ヶ月の子猫の姿を見て疲れが吹っ飛んだとかで、めでたし、めでたし、おとがめなし。
「え、そうなの?!」メイちゃんの名まえの由来は某アニメに出てくる子どもの名まえから。その日たまたま金曜ロードショーでやっていたからとかで。
今年18歳を迎えたメイちゃん(女の子)は今でも外のパトロールが日課で日に何度も繰り出します。この日もご近所宅の
車の下、庭先をお借りしてひと休みする姿を見せてくれました。ぴょんぴょんと軽快に走る姿も見られ「昔は相当のハンターだった」という話も納得です。
お花のところを歩いて!とリクエストしたらその通りに!
人間の言葉がわかるようですね。
麻緒さんとお散歩。嬉しいにゃー。
呼ぶとダッシュで戻ってくるメイちゃん、走る18歳!
メイちゃんのライフスタイル
「それほど気を使ってない。」というメイちゃんの食事はカリカリとウエットタイプを飽きさせないよう交互に。今日のメニューは「キャラットミックス かつお仕立ての味わいブレンド」。たまに刺身やカツオブシ、カニかまをトッピングして。朝にフードを入れ替えて、なくなったらその都度補充します。このスタイルは一度に多くの量を食べない猫によく見られ、元々「食が細い」「体が小さい」猫に共通するように思えます。「体重何キロですか?」の問いに「軽め!」と元気に答える麻緒さんだから、今回も私の推測は間違いないでしょう。
次にメイちゃんの生活スタイルを伺います。寝て起きて外へパトロール、帰宅して食事、メダカが泳ぐ水槽の水を飲んで(これが最近お気に入り)、外もしくは寝るの繰り返し。15歳を過ぎた辺りから外で過ごす時間が減り、その分睡眠時間が増え、それまで居座ることを嫌っていた1階のリビングで寝る姿を見せるようになりました。なぜ嫌っていたかというと、1階はメイちゃんのあとからやってきた犬3頭の生活スペースになっていたからです。お互いに年をとって丸くなったのでしょうか?でも引き合わせ最初のころは大変だったようです......。
はい、前ごめんなさいねー。雑種犬「モモ」も意に介さず。
シーズー犬「ゴン太」の散歩時は必ずついてくるというメイちゃん。
「ゴン太は目が見えないから、心配してついてくるのかなぁ。」と母親がぽつり。
ええ話しや。
「笑う門には福来たる?」
メイちゃん5歳のとき、犬の「ゴン太」「モモ」がほぼ同時期にこの家にやってきました。今まで家と家族を独占していたメイちゃんの環境はそこで大きく変わることに。犬になめられ追い回されそれが嫌になり、とうとう2階の麻緒さんの部屋で1日の大半を過ごすようになりました。そして、そのストレスは至るところで「スプレー」(マーキング=おしっこ)するという暴挙にまで発展!一番悩まされたのが同部屋の麻緒さんで、当時中学生だった彼女は「学校かばんだけにはスプレーされないよう」多感な乙女は来る日も来る日もかばんを死守しつづけました。結果、中学3年間の思い出が「それしかない」とはなんとも酸っぱい思い出だなぁ。
2階、麻緒さんルーム。
ここを拠点にしてから麻緒さんだけに甘えるようになったとか。
次第にスプレー問題も落ち着き、決して仲が良いとまではいかなかった犬猫の多頭飼育でしたが、メイちゃんが18歳を迎えた今、ご家族が望むような多頭飼育の完成形に近づき、犬も猫もストレスフリーな環境になりつつあるようですね。適度どころか重度のストレスを経験したメイさんですが、いまこうして病気もなく、元気に散歩する姿を見ることができるのは「犬猫の多頭飼育」も関係しているんだなぁと思えてきます。
犬とか猫とか国境とかもうこの年になれば関係ないよー。
この日のインタビューは麻緒さん、弟さん、ご両親の4名が同席。ご家族の印象は仲が良く、明るく、とても前向きで底抜けに明るいお母さんを筆頭に笑いの絶えないインタビューとなりました。そこで私は笑いの「健康効果」が人間だけじゃなく動物にも及ぼすのかもしれない、「笑う門には福来たる?」と思った今回の猫又トリップでした。
そしてお母さん、「メダカの水槽の水は(メダカの)出汁がでていておいしいから長寿」説はここでは却下させていただきますからね!(笑)
メイちゃんの唯一、手が懸かるところ、それは「ドアの開閉」。
ニャー、名まえを呼べばお返事するよ。
気がつけば18歳、振り返れば18歳。
ケニア・ドイ ファースト写真集『
ぽちゃ猫ワンダー 』(河出書房新社)好評発売中
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猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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我が家の初代猫は21歳まで生きてくれました。おばあちゃんです。
その弟分は、17歳でした。やっぱり女の方が長生きかも・・・
年をとると、性格は丸くなるかもしれないけど、反比例して目が細く吊り上がっていくんですよね。
何故だろう? 顔面の筋肉が弱っていくのでしょうか?
メイちゃん、尻尾が二又、三又になってもいいから長生きしてね。
by SERI 2015-06-18 00:45
SERIさんのお考えもそうですか。
一般的に雑種のメスが長生きだといいますよね。あとメイちゃんの目は外の撮影で眩しかったのだと思います。メイちゃんの名誉のために補足しておきますw
でもどれも細目の写真ばかり、写真のセレクト考えないとですね、ご指摘ありがとうございます!
by ケニア・ドイ 2015-06-18 13:25
こんにちわ。外でのんびりお散歩できて幸せそうです。
眼のことですが、人間も年をとると瞼がさがりいつも寝てるみたいな感じになってます。猫もくりくりおめめでぱっちり開いているのが大変になるのかも~~?あと白内障になると(老人が罹りやすい眼の病気)でもまぶしさに敏感になると言います。そんなことも原因かもしれません。
by あずにゃん 2015-06-21 16:03
あずにゃんさん、こんばんは。
老化ってことなんでしょうけど、今回は私の力不足です。今もまぶたを閉じるとピチピチの18歳のメイちゃんが私の頭の中の砂浜をキャッキャ言いながら走り回っています。
by ケニア・ドイ 2015-06-29 22:37