[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

「メンズヘア・センス相之川店」には、猫がいっぱいいて、「猫床屋」と呼ぶ人もいるそうな。
それも全部、界隈の保護猫だというのです。



南行徳駅から２分。オレンジ色の温かい灯が、夕暮れの路地に漏れている店がありました。
いったい猫は何匹いるのでしょうね？
お店に入ってみましょう。



あ、入り口正面の棚の上に、眠り猫発見。「にゅうにゅう」くんです。さすがヘアサロンの猫だけあって、斬新な髪型です。



その後ろに、黒白の「てん」くん。威風堂々としています。



台の上でくつろいでいるのは、フレンドリーな黒猫の「チビ」くん。ここで最初に保護された子で、いま最年長の９歳です。


高いところから見下ろしているのは、「茶々丸」くん。
なんだか猫探しゲームみたいで、わくわくしてきました。まだいるのかな。



隠れてるつもりのサバ白は、ビビりの「ムンク」くん。界隈のノラ母さんから生まれた子で、生まれつき３本足でした。外では暮らすのは大変だから保護しなくちゃ、と近所の人たちと相談していたその日、なんと、母さん猫が店の前まで連れてきたそうです。猫には、ちゃんと頼れる人がわかっているのですね。



奥の猫部屋で昼寝をしていたのは、人見知りのさび猫「ぴっぴ」ちゃん。
この猫部屋は、もとは事務室だったのを、増えていく猫たちに譲ったとのことでした。
お客さんはほとんどが猫好きですが、たまに猫がいると知らずに入ってきたお客さんが猫が苦手なときは、猫たちは猫部屋に退去です。



箱があれば、すぐに入りたがるのが、長毛の「蘭丸」くん。
えーっと、これで７匹。まだいるそうですよ！



裏口を開けたところで涼んでいたのは、漆黒の「ヤマト」くん。

あっ、窓際で猫団子ができています！



さっき棚の上にいたムンクくんと、台の上にいたチビくん、そして、三毛猫の「すず」ちゃんが猫団子になっていました。すずちゃんは、チビおじさんが好きで好きで、こうしてしょっちゅうくっついているのだそうです。
「あと１匹いるんですよ。姫はどこにいったのかしら」と、スタッフのかた。
界隈のノラの子だったチビを保護したのをきっかけに、もう一匹、また１匹と保護せざるを得ない子猫があらわれ、お店の裏口に段ボールで子猫を何匹も捨てていく人も毎年のようにいて、もうてんてこまい。里親探しをして、残った子猫は引き受けていたら、あっという間に１０匹になりました。
「１０匹以上は絶対に無理！」と、裏口に防犯カメラを取り付けたら、捨て猫はパタッとやんだそうです。

それにしても、１０匹とは！
　 店長さんも３人のスタッフのかたも、それまで格別猫好きだったわけではないそうですが、「自分たちの住む町の可哀そうな猫を見ないふりはできない」と、こうして店を挙げて一致団結。頭が下がります。



お店が暇なときは、こうしてスタッフに遊んでもらう猫たち。
帰りがけ、うす三毛の「姫」ちゃんも受付カウンターの上に姿を見せて見送ってくれました。



お店は、ガラス張りなので、路地からもよく見えます。
お母さんに連れられて、毎日、ガラス越しに猫探しゲームをしにくる小さな女の子。仕事帰りに猫団子を見て疲れをとる人たちもたくさん。
先日は、初めてこの路地を通った猫好きの女性が、たまらず店内に入ってきて、ひとしきり猫と遊んでいったそうです。

住みよい町とは、こんなあたたかな小さな光景がいっぱいある町なのかもしれません。