フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:福島県(主に葛尾村、川内村、飯館村、川俣町山木屋)
1.避難中の飼い主を自宅で待つ犬の安否確認と給餌(葛尾村)
いつも大喜びで迎えてくれるこの犬は、震災時からずっと自宅で、避難中の飼い主の帰りを待っている。震災発生から1年後、私たちが取り組んでいる「犬猫の過剰繁殖予防活動」を知った飼い主から、犬の不妊手術についての相談があり、手術実施時の搬送を支援した。
それからずっとこの家族を見守っている。
震災後、3年間は老夫婦の飼い主が二人で毎日給餌に通っていたが、4年目になり、様子が変わってきた。いつ訪問しても餌が空のため、飼い主に確認すると、生活環境の変化に伴い毎日の給餌が困難になってきているということだった。
葛尾村は、来年春の帰村を目指して、除染を行っている。飼い主が村に戻れる日まで、安否確認と給餌の支援を続けます。
1月。雪の中の安否確認と給餌活動の様子
2.福島での地域猫活動の取り組み:TNR+M(マネージメント)活動
私たちの「犬猫の過剰繁殖予防活動」を知った避難区域以外の住民から、猫の不妊手術の相談が後を絶たない。地元の動物愛護団体と相談した結果、熊本で実践し成果を上げている地域猫活動=TNR+M(マネージメント)活動を推進することとなった。
写真の地域は、猫の外飼いをしている方や餌やりさんと言われる方が複数名おり、猫の過剰繁殖地域になっていた。この地域では、これまでに50頭超の不妊手術が終了している。
この日このお宅では、16頭の猫を捕獲し、不妊手術を実施した。
飼い主、餌やりさんに対し、地域猫活動に重要な4つの約束、①時間を決めて給餌すること(置き餌をしない)②糞尿の掃除③近隣住民への報告④不妊手術の実施、を伝え、実践してもらうこととなった。
16頭の猫の不妊手術後のリリースの様子
3.熊本での活動
宇城狂犬病予防動物愛護推進協議会主催「うきうき動物愛護フェスタ」で、災害時のペットの同行避難をテーマとするパネル展及び講演会を開催した。
宇土市立図書館で、東日本大震災及び福島第一原発事故で被災した人と動物の救援活動についてのパネル展を開催した。
犬猫の過剰繁殖予防活動では3地区において、犬3頭、猫10頭の不妊手術を実施した。
11月。うきうきフェスタでの講演の様子
11月。うきうきフェスタでのパネル展の様子
○今後の展望
被災地福島において支援している、地域の動物病院と住民が連携して行うTNR+M活動については、基礎となる仕組み作りができた。今後は、実践地域の拡大と活動内容の充実を目指し、
TNR+M活動の啓発に取り組む。
福島、熊本ともに、犬猫の過剰繁殖予防活動を継続して行う。
熊本においては、ペットの災害対策、同行避難についての講演会、パネル展も継続して行う。
<ご支援くださっているみなさまへ>
被災地福島では、避難中の飼い主と犬猫たちとの離れ離れの生活が現在も続いています。
当初頻繁に通っていた飼い主の中には、高齢化や生活環境の変化等で、通うことが困難になっている方もおられ、飼い主不在の時間が長くなることで、病気の発見治療が遅れるケースも出てきています。
動物の安否確認と給餌を行う団体も減少し、継続して活動している団体の労力、資金の負担が大きくなってきています。特に犬猫のフード不足は深刻です。
今後ともご支援いただきますよう、お願い申し上げます。
「緊急災害時動物支援ネットワーク熊本」
http://saigai-animal.org/