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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2015年11月24日

ゆめ君ちの防災対策

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ボク、ゆめ。
久しぶりの道ばた猫日記登場(前回は『妹がやってきた!』)なのに、きょうはエリザベス姿で面目ないんだけど。
ボクね、えっと、しでかしちゃったの。

それは1か月前のこと。ゲエゲエと苦しみだしたボクを見て、あわてたゆうママは、すぐに病院に担ぎ込んだよ。
どうやら何かを誤飲したっていうんで、即、ボクは開腹手術になった。ボクには、タオルやTシャツに穴をあけた前科があったから。
で、出てきたのが、ストッキングの先端。じつはね、脱衣籠の奥からストッキングを引っ張り出してきて、ちょっと食べちゃったの。だって、ガムみたいに噛みがいがあったんだもん。ナイロン繊維やナイロン糸って、 腸のぜんどう運動でピーンと伸びると鋭い刃物みたいになって、腸とか切っちゃうこともあってものすごく危険なんだって。だから、お尻から一部が出てきても、ひっぱっちゃダメなんだって。

ボクは、10日入院して、ママたちをさんざん心配させて、命拾いして、帰ってきたの。

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「この子は運のつよい子。2度も死にかけて助かるなんて」って、瀕死のノラチビだったボクを助けてくれたママたちは、胸を撫でおろしながら言ったよ。
でもね、エリザベス姿で家に帰ってきたら、姫ったら、「うわ、ヘンな猫・・・」って、ドン引きの眼で見るんだ。ボクだってば!

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姫だけじゃない。ソファの上で、ギョギョッとしてるヤマネコみたいなのが、もう一匹。

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あっ。まだ紹介してなかったよね。僕んちの3匹目の猫、「アキ」。ボクはいまや2匹の妹のお兄ちゃんなんだ。
アキは、すぐ近くのスーパーの入り口そばの茂みに捨てられて鳴いているところを、ちせママとみさママが保護して、里親を探し始める前にうちにひと晩お泊りに来て、ヤマネコ風なのがニンゲンのお兄ちゃんたちにすっかり気に入られちゃったの。

ボクは、アキにおもちゃの遊び方から何から何までつきっきりで手ほどきしてやって、みんなに「あのやんちゃなゆめが」って、すっかりオトコの株を上げたの。なのに、翌日病院に担ぎ込まれちゃったんだ。アキったら、あんなにボクになついていたのに、10日入院して帰ってきたエリザベス姿のボクを迎えた第一声が「シャ~~」だったのにはガックリだった。

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しばらくたったら、「あ、お兄ちゃんだ」ってわかって、いまは、元通り、仲良し3きょうだいだよ。
ボクがくるまで、猫嫌いだったパパは、この半年で「ねこあつめゲーム」みたいにおうちにみるみる猫が増えていくのに、連れてくるママには「好きにすれば~」って。パパはもう猫好き中の猫好きだって、僕たち、すっかりお見通しさ。
だって、パパはね、毎朝、ボクたちひとりひとりにこう言ってお仕事に出かけていくんだよ~
「じゃあね、ゆめ、いってくるよ」
「じゃあね、姫、いってくるよ」
「じゃあね、アキ、いってくるからね」

ボクたちのママは、この前、かかりつけのル・クールどうぶつ病院の主催した「ペット防災セミナー」に、るいママ、ちせママ、みさママと一緒に参加したの。大地震とか襲ったとき、ボクたちのいのちをどう守るか、ママたちはしょっちゅう話し合ってる。

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ボクたちの住んでるS市は、ちゃんと「避難所にペットと共に避難すること」を推奨しているってことも確認済み。
それに、猫を飼ってる同士、日頃から仲良くしてて、キャリーで預かり合いや行き来もしてるから、いざという時の「助け合い」に関してはバッチリなんだ。
セミナーでは、「少なくとも3日分、できれば一週間分の猫餌を常備しておこう。好き嫌いなく何でも食べる子にしておこう」ってママたちは教わってきた。

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家に帰ったゆうママは、さっそく備えのボクたちのごはんを点検。
「これじゃ少ないかしらね、この子たち3匹食い意地はってるから、もっと備えておかなくちゃ」って気づいたみたい。ボクたち、ノラあがりだから、「何でも食べる」ってことに関しては大丈夫。「何でも、って、ストッキングとかは食べなくていいの!」って言われちゃったけど。

「日頃からキャリーに入るのを嫌がらないようにしておく。キャリーに入るときは楽しいことが待っていると学習させるといい」ってことも、教わったんだって。

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それなら、ボクたち、みんなキャリーが大好きだから、安心してね。ほら、キャリーのふたを開けると、行列ができるほどさ。
だって、キャリーに入るときはたいてい、よそのおうちに連れてってもらって可愛がられるときなんだもん。どうぶつ病院の先生たちもやさしいし。

それから、こんなこともママたちはセミナーで教わったよ。「災害時は気を落ち着けて、『大丈夫、安心して』という態度をペットに見せる」。
それも、きっと大丈夫。ママたちは、猫助けの根性が半端じゃないから。

ねっ、ボクたちのおうちの防災意識と連帯意識はいいセンいってるでしょ。
でもね、ボクの顔見て、ママたちは口をそろえて言うんだ。
「ゆめの場合は、まずストッキングを絶対に出しっぱなしにしておかない防災から始めなきゃいけないから、大変だわ」って。

妹たちの前で兄貴の威厳をちょっぴり傷つけられたボクは、机の上のミカンをかじって、「ほんとに懲りない子ね」って、ママたちに笑われちゃった。

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写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

ゆめくん‼大変でしたね。痛々しい傷跡が可哀想だけど、命が助かって本当に良かったですね可愛い妹が増えて、ゆめくんは幸せですね。何よりママさんをはじめとして、いい人達に恵まれて本当に良かったです。これもきっと、ゆめくんがいい子だからですね。きっと。人によっては人間が第一で、動物のことまで考えてくれない人もいますからね。ゆめくんの周りには、やさしい人がたくさんいて良かったです。

by ふみちゃん 2015-11-24 18:00

日頃からキャリーに慣れさせておくことは重要ポイントですね。
病院に行く時だけキャリーに閉じ込められたら「あの箱に入ると、怖いところに行くんだ〜」と記憶に刷り込まれてしまいますから。
我が家は、3.11以降ニャンズ用の避難グッズを揃えています。一週間分のフードとお水、ペットシーツと洗濯ネット、フリース毛布。昨年亡くなったポルコは朝晩3種類のお薬を投薬していたので10日分持っていました。
環境省から同行避難のガイドラインが出ても、現実は自治体任せですからしっぽ家族は私たちが守らなければならないと思っています。

ところで、イリエ夫妻が保護し里親募集していたるいちゃん、見事良縁getしました!今週末に、やさしいご家族の元へお引っ越しです♪
落ち着いたら、ぜひその後のるいちゃんを取材くださ〜い☆

by kaoringo 2015-11-24 20:30

やはり誤飲は怖いですね。引っ張ってはダメというのも勉強になりました。お尻から見えたら思わず引っ張ってしまいそうです。猫と自分のために色々な知識を身につけなくてはいけないと思いました。
「防災セミナー」もっといろいろなところで受けられたらいいですね。
ゆめくんのおうちは「ねこあつめ」(笑)素敵な御家族ですね。

うちの猫を庭に出した時(すぐそばで監視つきですが)庭をパトロール後、気がすんだら自分から家に入って行きました。ここを自分の家だと思ってくれてるのかなぁと嬉しくなりました。時間がない時は強制ワープ=抱っこで移動、ですけど(笑)

by さりゅ 2015-11-24 23:15

>ふみちゃんさん

あったかくてたのもしい「ゆめ君応援団」に囲まれて、すくすく育っている(ときどきやらかしますが・・・)ゆめ君は、ほんとうに幸せものです。すべての猫さんが応援団に囲まれてくらせたら、どんなにいいでしょう!

by 道ばた猫 2015-11-25 02:26

>kaoringoさん

おお、さすがkaoringoさんとこは、備えが行き届いてますね~ 洗濯ネットは、なるほど!です。
るいちゃん、おうちがみつかって、おめでとう! 落ち着いたころ、ぜひ会いに行きたいです。

by 道ばた猫 2015-11-25 02:31

>さりゅさん

さりゅさんに見守られて、お庭をおさんぽ。楽しそうですね~ 気がすんだら、自分で入ってくるなんて、賢い猫さん。
「わが家」という認識が猫にもちゃんとあるのですよね。

by 道ばた猫 2015-11-25 02:39