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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2015年12月09日

高齢猫専門という選択

きじとらの「みーちゃん」は推定15歳の女の子。里親募集サイトで縁があり譲り受けた猫だという。しかし、前飼い主さんにはよっぽどの事情があったのでしょう。だってみーちゃんがこの家にやってきたときには、もう14歳だったのですから。

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新しい飼い主さん


飼い主の竹前努(たけまえ つとむ)さんは会社勤めをしながら、「アニマル・ドネーション」※1(以下 アニドネ)という公益社団法人にも参加されています。大の猫好きだという竹前さんは毎年十数万頭も殺処分される犬猫の現状を憂いていました。「自分にできることは何か?」と動物福祉に関心を寄せる中、動物保護団体への支援、寄付を目的とした画期的なサイトと出会うのです。そこで共感した竹前さんはすぐに「アニドネ」に参加、自分のスキルを存分に生かした社会貢献活動いわゆる「プロボノ」をはじめるのでした。

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割とぽっちゃりなみーちゃん!自分もろタイプっす!

みーちゃんとの出会いは「ペットのおうち」※2という里親募集サイトでした。高齢猫専門だという竹前さんは「10才以上」の猫を探し、やがてみーちゃんへとたどり着くのです。「なぜ?高齢猫を選ぶのか?」という質問には、2つの理由がありました。
ひとつは「飼いやすさ」。10歳以上の猫は一からしつけをする必要がなく、行動も落ち着いているケースが多いのです。もう一つは「貰い手が少ないだろう」という点。竹前さんは飼いやすいのに譲渡率の低い「高齢猫」を他人に薦めるために「まずは自分から」という行動に出ます。そこには強い使命感みたいなものを感じました。14歳にして飼い主のバトンパスは猫にはとっては酷かもしれませんが、こんなにも思いが詰まった飼い主さんに出会うなんて、みーちゃんはしあわせものだね。

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なんだチィミは?


高齢猫を受け入れるというリスク


色んなフードを試し、みーちゃんの好きな味は「かつお」だと答えを出した竹前さん。それからウエットもカリカリもかつお味を常にストックしています。さらになるべくおいしく食べてほしいという思いから「小分けパック」や「グレードの高い缶詰」を用意するこだわりよう。食事は決まった時間ではなく、お皿が空くとフードを補充する小出しスタイルです。そして現在も体重は5kgとまだまだ体がふくよかで健康かなという印象です。

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軽快な足さばき。

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でも降りるのはちょっと苦手。


しかし、高齢猫を受け入れることにリスクはつきもので、みーちゃんの場合、通常の猫よりも大きな胃袋を持ち(前飼い主さんより説明された上で譲り受けています)今も経過観察中。今後、他の臓器を圧迫する恐れがあるので定期検診は欠かせないとのことです。

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ごはん追加してにゃー!


しあわせを考える


やっとみーちゃんの性格や行動評価ができ信頼関係を作ってきたとはいえ、竹前さんとみーちゃんの共同生活はまだ1年ちょっと。ここで長生きの秘訣を伺うのはどうか......。
残念ながら前飼い主さんがどう育てたのか竹前さん自身も伺っていないとのこと。唯一聞かされていたことは、アレルギーが発症し、猫との暮らしをやめざるをえず、なくなく14歳まで育てた愛猫を手放すことになったおばあちゃんの存在だけ。

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一人で寝るのは寂しい?

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そっと寄り添うのがみーちゃん流の甘え方。


おばあちゃんの悲しみ、みーちゃんの悲しみを受け止めて、今日も竹前さんはみーちゃんのしあわせ、さらに飼い主のいない動物たちのしあわせを考えています。強くて、優しくて、素敵な人だな。

でもこれだけは言える。みーちゃんの猫生は安泰ですと。
これからもっと長生きしますように。

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強くて、優しくて、素敵な飼い主さん。

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それが長寿の秘訣になるのかも。



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※1  公益社団法人「アニマル・ドネーション」
動物のためにがんばる団体を支援できる「日本初」動物関連限定のオンライン寄付サイト。キャッチフレーズは「キモチをカタチに」
https://www.animaldonation.org

※2  全国のペット里親募集情報サイト「ペットのおうち」
http://www.pet-home.jp



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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

素敵な飼い主さんと出会えて、みーちゃんはまだまだ長生きしてくれそうな、おだやかないいお顔。
飼い主さんの考え方も素晴らしいですね!
私もいずれ時間や気持ちの余裕が出来たら、飼い主のいない病気を持っている子や、ターミナル期の子の看取り受け入れるということができたら、なんて考えたりもします。
せめて旅立ちのときは温かいベッドで。
飼い主さんのように高齢専門というのもうなずけました。
みーちゃんと飼い主さんの生活が、ますます楽しいものとなりますように!!

by cheeco 2015-12-10 00:51

cheecoさん
やんちゃな子猫もいいけど落ち着いた雰囲気の高齢猫もいい。
自分の生活スタイル(コスト面も)に合った猫が高齢猫だったといいますが、
プラス譲渡率の低い高齢猫問題を意識されている飼い主さんはすばらしいです。
勉強になりました。

by ケニア・ドイ 2015-12-11 10:20