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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

岩津さんに聞く!

2015年12月25日

アニマルコミュニケーター岩津さんに聞いてみよう ~鳴き叫ぶ猫さん

みにゃさま、こんにちは、岩津です。

今回は先日ブログで募集したアニマルコミュニケーションにご応募くださったYさんのご相談です。ご相談内容は以下です。

20歳のオス猫を飼っています。4匹飼ってましたが順番に亡くなり、今は彼だけになりました。寂しいのかしょっちゅうすごい声で鳴きます。病気なども心配ですし、一度彼の心の声が聞きたいです


阪神大震災の翌年のこと、道ばたに横たわっている真っ黒の何かを見つけたのは「動物は愛しか持っていない」と断言し、どんな動物をも愛するYさんでした。
何かが死んでいるのでは?と恐る恐る近づくと生まれたての子猫です。すくい上げると動いたのでYさんはあわててうちに連れて帰りました。献身的なYさんご夫妻のお世話でその衰弱していた黒猫は回復し、「たん」と名付けられ病気ひとつせず20歳の今に至ります。

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たん君が迎え入れられたころ、Yさん宅には先住猫が3匹いました。ケンカしながらも付かず離れず、それなりに仲よく同居していたそうです。
今でもあどけない顔立ちとふわふわ艶々の毛のせいか、どこからどう見ても超高齢の20歳には見えません。その心も純粋で素直。永遠の子どものようです。

今年の6月に最後の同居猫の女の子・まるちゃんが21歳で旅立ち、とうとうたん君一匹ぼっちになってしまいました。そしてまるちゃん亡き後、昼夜問わず突然鳴き叫ぶようになったそうです。

ちょっぴり怖がりのたん君ですが人は大好き。お部屋に入って「初めまして、こんばんは」と挨拶するとすぐに、「こんばんは。何しに来たの?」と探るような上目遣い。近づくとびっくりしてこたつの中へ入ってしまいました。

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こたつ布団をめくり、たん君に再度ご挨拶。どんな声掛けにも必ず声に出して答えてくれ、徐々に近づいてきてきれました。

以前は来客があると隠れてしまい姿を見せることはなかったそうですが、まるちゃん亡き後は来客があっても隠れなくなったそうです。
Yさんが気を遣ってこたつの中のたん君を出してくれましたが、全員の視線が一斉にたん君に集まると驚き、お話どころではありません。そこでご夫妻にいったん退室してもらい、たん君は一番落ち着くこたつの中へ。私はこたつの中に頭を入れてお話を試みました。

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「たん君の毛はふわふわでうらやましいな。かわいいたん君とお友達になりたいな。私のお友達になってもらえるかしら?」と尋ねると、「うん、いいよ。」と快諾。

そしてこたつの中に入れていた私の手に近づき、手の上にあごを乗せてくれました。もう片方の手でたん君の手に触れると、握手のようにそっと握ってくれます。
友情をしっかり確かめ合ったところで、話を切り出しました。

まず、まるちゃんの死について尋ねます。
寂しくなったねと伝えると、頷きはするもののさほど寂しさを感じません。よくよく聞くと、今でもたまに天国から遊びに来ているまるちゃんとお話しているので喪失感はないそうです。しかし体はない状態なので、触れ合うことができない寂しさはあります。

鳴き叫ぶことについて尋ねると、うつむいてしまいます。しばらくの沈黙の後、「怖いの」と一言。


怖がりで寂しがり屋のたん君。兄姉が順番にいなくなり、一匹ぼっちになったので心細くて仕方ありません。そして、次はお母さんとお父さんが逝ってしまってこの家に一人残されるのではないかという恐怖が襲ってきます。
お母さんとお父さんがいなくなって一人残され、一人ぼっちで死ぬの? それともお留守番の時に、誰もいない時に死んでしまうの? このまま永遠に誰も家に帰ってこないのかもしれない、とまで思いつめています。

まるちゃんはお父さん、お母さんのいない、一人の時間を選んで逝きました。まるちゃんのように人間の家族にその瞬間を見せないようにと気遣ったり、皆が寝静まったのを見届け安心して一人で旅立つ子もいれば、皆に見守られて旅立つことを選ぶ子もいます。自らの死期を選んで逝く子も中にはいるのです(死期を選ぶ時期や仕組みは私にはわかりません)。

たん君は「天国」や「死」はよく知っていますが、「選ぶ」ということが元気な今はまだ考えられない(考えにもない)のです。当然のことと思います。今を生きる動物たちは遠く先にある死に対して準備をして生きることはしません。

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たん君はまるちゃんの死後、心が安らかだった時はありませんでした。今まであった「安心」がまるちゃんの死と共に失われてしまったのです。

たん君は、お仕事から帰宅されたお二人に、「怖かったの。待ってたの。帰って来てくれてよかった。」と毎日すがりつくような気持ちで迎えています。お二人がおられる時間に鳴き叫ぶのは、お二人と居ることでふと心が緩み、一人での時間・恐怖を思い出した時に「一人はいやだ!」と泣いているのです。
失われた安心がお二人との時間で戻ってこようとすると同時に、恐怖が襲ってくるようです。

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私からおすすめしたいのは、たん君が鳴き叫ぶ時は包み込むように抱きしめ、「怖かったね。もう大丈夫よ。ほら見て。お父さんとお母さんはここにいるよ。ずっと一緒にいる。何があっても一人になんか絶対にしない。」と愛する気持ちをいつも以上に込めて伝えることです。

そして、落ち着いている時に「今までそんな理由で鳴いてたんだね。辛かったね。一人になんか絶対にしない。一生一緒にいるし、いつも想ってる。もし留守中に怖くなったら一呼吸おいてお父さん、お母さんのことを思って。必ずつながりと愛を感じるから。」とお話して下さいね。

素直なたん君はお留守番中にお二人の言葉を必ず思い出してくれるはずです。出かける時には、「離れていてもずっと思ってる」と毎日伝えて下さいね。

さて、Yさんご夫婦が今まで飼ってきた猫さんたちはみんなご長寿で短くて17歳、あとの子は皆20歳を超えていたそうです。
ご飯はごく一般的で、かりかりと缶詰。おやつはその子の好きなもの(たん君は乳製品が大好き)をあげているということでした。

長寿の秘訣を伺うと、「よくわかりませんが、その子の生命力を信じています。」とまっすぐに言われます。
「愛しかもっていない」心を持つ猫と、生まれもった猫の「生命力」を信じるご夫妻。猫たちと結ばれた強く確かな絆を感じた今回の訪問でした。Yさん、どうもありがとうございました。


(編集部注)異常な鳴き声は病気による可能性もありますので、動物病院への受診もおこなってください。

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アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!

岩津 麻佳

2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。

HP

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みにゃさまのコメント

こんばんは。こちらのコメントは初めて、です。
うちのチキちゃんも今年二十歳で、たん君と同じように鳴きます。
年齢のせいで「耳が聞こえずらいせいかな?」と思っていたのですが
昨年ふたつ下のピっちゃんが亡くなってやはり寂しいのかもしれないです。
亡くなって間もない頃は特に変化はなかったので大丈夫だと思いましたが
トイレの後や寝ている時にうなされて(絶叫)早朝や深夜はびっくりします。
どうしてかわからずに頭をなでると鳴きやむのでこれからは包み込むように
抱きしめます。いつも愛あるお言葉、ありがとうございます。

by チキママ 2015-12-25 23:15

>チキママ様
こんばんは。
包みこんで抱きしめて、いつも笑顔で寄り添って下さいね。
コメントありがとうございます。

by 岩津 2015-12-26 17:44

我が家のそらは、猫白血病で2歳で亡くなりました。二十年も一緒に暮らせて、本当に羨ましいです。そらは最後の時はみんなに見送って欲しかったようで、家族で手を握り、背中を撫で声をかけながら看取りました。旅立つ直前に、もう出せない声をしぼりだすように一声出して旅立つて行きました。今は遺骨に朝晩声をかけるのが家族の日課です。輪廻転生があるなら、また生まれ変わって来て欲しいです。そして、今度は前回の何倍も長生きして欲しいです。

by ふみちゃん 2015-12-27 08:25

>ふみちゃん様
どうしてもふみちゃんさんに会いたくて、短い猫生でも生まれてきたのかもしれませんね。

by 岩津 2015-12-28 14:14

我が家は猫のおんぷを迎える前はフェレットを2匹飼っていました。
長女のマリリンは2歳の時膵炎になり10日もつかどうかと言われたのに5歳手前迄頑張ってくれて亡くなる寸前に側にいた主人も私もすごく眠たくなりうとうとして白い景色に楽しそうにピョンピョン飛んでいく夢を見て目覚めたら逝っていました。
私達に逝く所を見られたくなかったと思っています。
次女のミルキーは病院のお世話になることなく8歳3ヶ月で朝家族ひとりずつ寄って行って私だけになってから聞いた事のない声で泣き抱き上げると呼吸の間隔があき20分程で逝きました。
死期がわかってお別れしてくれたんだと思っています。

by marimiru 2015-12-29 08:48

>marimiru様
マリリンちゃんもミルキーちゃんも分かっていたのでそれぞれが悔いのないお別れをしたのでしょうね。

by 岩津 2016-01-01 15:51

19才の

by みにゃです 2021-06-18 12:35