猫部の みにゃさま こんにちは!
映画「猫なんてよんでもこない。」監督・脚本の山本透です。
いよいよ全国の劇場で公開が始まりました映画「猫よん。」
みにゃさま もうご覧になりましたか?
1月30日の公開初日、1回目の舞台挨拶の壇上に登る
ちょっと前の待ち時間。
色んなことが自分の頭の中を駆け巡っていきました。
1番最初に原作本を読んだ時の衝撃。苦労した脚本作り。
途方もない猫さがし。キャストとスタッフを集め。ロケ場所を探し、
1つ1つ手ごたえを確かめながら慎重に進めた準備期間。
それら全ての手ごたえが、あっさりと打ち砕かれた撮影の初日。
2匹の子猫のヤンチャっぷりに、欲しい絵は全く撮れず、
眠れなかった夜。
それでも徐々に自然な表情を見せ始めてくれた猫たち
こだわり続けたラストカットの撮影。
奇跡的な瞬間にスタッフもキャストも手を叩いて喜んだ最終日。
編集をし、音楽を作り、効果音をつけ、完成初号試写を迎え
宣伝活動が開始。沢山の土地土地でのキャンペーンに 映画祭。
思いおこせば公開の初日、その壇上に立つまでには
既に3年半以上の月日が流れていました。
どれだけ沢山の人々の支えがあったのか、お礼を言いたい人の数は
本当に数えきれません。
そして‥何かこう 不思議なことも思い出していました。
小学生の頃、大好きだった雑種犬 コロとの毎日の散歩道。
フェラリアで他界したコロ はじめて3日間泣き続けたこと。
その傷心を癒すように母親が飼いはじめた白猫のミホ。
犬しか知らなかった自分に猫の魅力を存分に教えてくれたミホも、
もう20年以上前に他界し、
自分も結婚をして、我が家に迎え入れた愛猫のサクラ。
大切だった生き物たちとの大切だった時間を思い出していました。
それはもう凄く個人的な感傷で。他人にはきっと理解してもらえない
特別な感情。
ああ、でも「猫よん。」は、そんな特別な感情を
たくさん沢山 描いている映画で
‥それは実は傲慢な部分もあるのかも知れないな。
原作が持つ魅力から一歩も逃げたくはなくて、去勢のこと、避妊のこと
外飼いの問題。猫AIDS。ナーバスな問題も織り込んだけど
‥それは生き物を飼ったことがある人の、ある特別な感情に触れる
ひどく傲慢な行為なのかもしれない
そんな葛藤と不安が頭に巻き起こりながら
それでもなお、強く思いました。
『それでも この映画を届けたい!!』
ただただそれだけを強く思いました。
世の中には色んな人の 色んな考え方があると思います。
でも、自分がやりたかったことは、実はすごく単純で
映画を見終わったお客さんたちが、家へ帰ったら猫を撫で
お子さんや、恋人、ご夫婦や兄弟。大切な人(生き物)たちとの
大切な時間を、よりいっそう大切なモノに感じてもらいたい。
ただそれだけでした。
それだけと言いつつ‥ある意味 そんな大それた届け物を
しようってな野望を抱いたのだから、
実は3年半の月日も、物凄く沢山の人達の支えも、
当たり前のように必要で、その全てがそろったから
ようやく、この映画は世の中に生まれ出れたんじゃないかと。
逆に結論がついたような 不思議な気分でした。
猫部のみにゃさん。劇場で この大きな大きな届け物を
どうぞ受け取ってやってください。
チビチンのこんな表情が沢山見れますよ。
自分ん家みたく遊ぶクロも
肉球も
高額な機材もへったくれも気にしないクロ
対抗してイタズラをはじめるチン
思い返せば、全てが愛おしい時間でした。
ちょっと舌が出てるぜクロ(笑)
何を見るとそんなに真ん丸おめめになんのよ?チン
大変だったけど、毎日笑いが絶えない楽しい現場でした。
今回で自分の連載は終了します。今まで好き勝手に書かせて頂いた
つたない文章におつきあい下さった みにゃさんに心より感謝致します。
最後になりますが、
昨年他界された動物トレーナーの佐々木道弘さんに一言。
「佐々木さん はじまりましたよ~~っ!!」
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猫よん。ブログ ライター紹介
山本さん
1969年、東京生まれ。山崎貴監督をはじめ数多くの監督に師事。05年に映画『幸せになろうよ』で監督デビュー。
主な監督作に『キズモモ。』(08)、『グッモーエビアン!』(12)、『YOSHII CINEMAS』(13)など。
最新作に、藤原竜也主演映画『探検隊の栄光』(10/16公開)、演劇集団 UNCHANGED旗揚げ公演
「In the Sky with☆ダイアモンド」の監督・脚本も手掛ける。(9/30~10/4 @劇場HOPE)
こんな映画が出来るなんて思ってもみませんでした~(^O^)休みになったら即、映画館へ走ります!
チンちゃんやクロちゃんのまだあどけない顔が、とっても可愛いです。我が家にもチンちゃんとクロちゃんに良く似た子がいますが、映画なんてとてもとても~~。また時々、このニャンコ達の成長した姿を見れたら嬉しいです!猫好きな者からすると夢みたいな映画ですね!ありがとうございます!
by りんりん 2016-02-03 10:50
映画見ましたよ!泣けました!辛い時にそばにいてくれる人や動物がいるって本当に素敵だなと思えました。山本監督素敵な映画をありがとうございました!チンもクロもよく頑張ったね!
by しましま 2016-02-03 12:49
映画、とても楽しみにしていてさっそく観てまいりました。
ねこちゃんたちはとてもかわいくて、俳優さんたちとも仲良くてすごく癒されました!
今でこそ家の中で飼っていますが、昔は外に出していて病気になって…という経験を私もしているので、
痛くてつらい部分ももちろんありましたが…そこを含めて、たくさんの方に観ていただきたいと思いました。
帰ってから、今飼っている二匹のねこちゃんをたくさん撫でました。
一緒にいる幸せや大切さを再確認できる、素敵な映画をありがとうございました!
by ねこ好き 2016-02-03 13:44
初日舞台挨拶行かせて頂きました!ほんとにチンクロが可愛すぎて終始顔がにやけっぱなしでした\(^o^)/
私は動物病院に勤めていて、日々命と向き合う仕事をしています。どうにかして助けたいと思う飼い主さん、それに必死に応えようとする動物たち。お互いの想いが生きる力になっているのだと思います。動物は本当に大切なパートナーだとこの映画をみて改めて感じました。飼い主さんにもこの映画をお勧めしようと思います!素敵な映画をありがとうございました!そしてお疲れ様でした!
by くらもも 2016-02-03 18:43
山本透監督様
大きな大きな素敵なあったかい贈り物を
しっかりと受け取らせていただきました
どうもありがとうございました
by ちびたろ 2016-02-03 20:27
ブログ読んで 泣けました。
道東、北海道の端っこから、今北海道で唯一上映している札幌に観に行きます。
by ピアノ猫 2016-02-03 20:34
映画観ました!
猫あるあるがたくさん散りばめてあって、笑って頷きながらみました。
飼い猫の去勢と避妊については、私も未だに人間のエゴなだけかもと考えることがあります。ましてや、完全な部屋飼いというのも、猫にとって幸せじゃないんじゃないか…とも。
でも、猫よんを観て、猫と過ごす時間を大切にしていければそんな思いも報われるんじゃないかと考えることができました。
素敵な映画をありがとうございました。
by ねこくらぶ 2016-02-04 12:41