玄関を開けて、部屋に入ると2匹の黒猫がいた。
やんちゃで遊びが大好きな大吉(3歳・男の子)を撮りたいところですが、そこは猫又が主役の旅。ここは大人の対応でぐっと抑えて、極端に動きの少ないオズマ(19歳・男の子)に密着トリップ!
椅子の上、貫禄あるオズマと後ろでチラ見する大吉。
「今日はわしが主役にゃー!」と喜んでいるようです。
巨猫の星
飼い主の竹内哲郎(たけうち・てつろう)さんとオズマの出会いは、今から19年前。自宅マンション下に迷い込んでいる生後2ヶ月ぐらいの子猫を近所の小学生たちが発見し、その後管理人さんが一時保護していました。そんな子猫を「ほっとけない」と、猫大好き竹内ご夫妻が引き受けることにしたのです。当時、竹内家には先住猫が2匹いたため、里親さんを探すことも視野に入れていたのですが、一緒にいるうちに愛着が......、めでたく家族となりましたとさ。
保護当時、幼稚園に通っていたという長男の創太郎(そうたろう)さんも、いまは社会人に。なんか時の流れにじーんときた。
子猫なのに骨格がしっかりとしていて筋肉質、日本猫離れした肉体を持ち、瞳はブラウン、ということで名まえは「オズマ」と奥さまが命名!若いときはもっと重かったという体重ですが、今でも貫禄十分の5kg超え。かかりつけの動物病院の先生も20歳超えを期待するご長寿の星。まさに「巨猫の星」になったのです!
ちょいちょい見切れる大吉も撮ってみた。だって......
こんなことされたら撮らずにはいられないのです!
オズマはいたってマイペース。
省エネがご長寿の秘訣なのかな?!
もの言う猫
キレイ好きだというオズマは、トイレが汚れていると「ニャー!」とないて怒るそうです。トイレのしつけは歴代の猫の中でも一番手が掛かったそうですが(笑)。
ごはんも「食べさせろー」と、もの言う猫オズマ。毎朝5時にご主人の哲郎さんを起こすのが日課だとか。ウエットもドライフードも高齢猫用のものを好まず、「食いつきの良いもの」を探し与えています。朝食以外は奥さまに「ニャー」とおねだり。でもご飯の催促で健康がはかれることはご家族にとってはわかりやすい指標でとても良い行動ですね。ただ私は5時に起こされるのはNGですが......。
後ろ姿もグッドルッキン!
見るんじゃねー!と。とほほ。
歳をとってからの多頭飼い
2匹の先住猫が虹の橋を渡ってからは家族に甘えるようになったというオズマ。先住猫たちに遠慮していていたのでしょうか?家族と1匹の甘甘な生活は6年間続きました。そうこうしているうちに息子さんは社会人、オズマは16歳のシニア猫に。まったく手のかからない生活に刺激を求めた哲郎さんはある日、猫の里親募集サイトで生後2ヶ月の大吉と出会ってしまうのです。シニア猫に子猫は......、という意見ももちろんあるでしょうが、結果こうしてオズマが19歳まで健康に生きているところを見ると、それもいい選択だったのかなぁと思ったりします。
大吉が来てから甘えていたオズマは陰を潜め、抱っこも嫌がるように。下のものに甘えた姿を見せたくない?男のプライド?なのかはわかりませんが、ハリのある生活がオズマを奮い立たせていることは間違いないと思います。猫又になるための多頭飼い?とにかく万歳ですね!
もう飽きたー!(怒)
帰るから扉開けてもらっていい?
寝るー!(オズマさん、お疲れさまでした。)
「
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写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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うちもクロ猫を飼っていました。20才をはるかに超えることを祈っています。
by nao2001 2016-02-10 18:51
naoさん
大きい猫はそれだけで不思議と長生きしそうな気がします。
by ケニア・ドイ 2016-02-23 11:23
うちも先住猫さんが14歳のときに、まだ生後二十日前後の白黒の子猫を旦那さんが拾ってきました(笑)
それまでは静かに年を取っていくだけのように静かだった先住さんが、子猫を迎え入れたとたん、毛並みの色も濃くなり、ツヤツヤに!
かかりつけの先生にも、その年齢にみえない!と驚かせてしまうほどに若々しくなりました。
子猫が噛みぐせが悪く、手のかかる子だったんですが、先住さんが根気強く子育てしてくれたお陰で、人にも猫にもワンコにも、素直に甘えられるコに育ちました。
うちのお兄ちゃんワンコには命を救われ、お兄ちゃんにゃんこには沢山怒られ愛され(笑)
誰一人かけてもきっとこんな日が迎えられなかっただろうなぁと思うと、ボンボンしっぽの下の子には感謝です。
今の目標は8歳でいなくなってしまったパパ猫の年を3倍いきること。今年で17歳になりますが、私たち人間にも愛情深く接してくれるお兄ちゃんにゃんこには、長生きしてほしいなぁと毎日を噛みしめています。
by ボンボンしっぽ 2016-03-09 17:54