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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2016年03月30日

「緊急災害時動物支援ネットワーク熊本」さまの活動レポート(2015-16前期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:福島県(主に葛尾村、川内村、飯館村、川俣町山木屋)、熊本県

①被災地福島での活動より
私たちは東日本大震災及び福島第一原発事故発生後、被災地福島にて被災者と被災動物の支援活動を続けております。
住民が避難中の地域での動物たちの安否確認と給餌、また、帰村時に猫だらけの村になっていないよう、避難中に増えてしまった猫がこれ以上増えないよう、過剰繁殖予防活動にも力をいれています。
それと同時に、犬猫の飼い主、地域住民に対し、不妊手術の啓発活動を行っています。
今回、福島での活動からは、川内村で出会った猫について報告させていただきます。
5月、川内村で活動中に一匹の猫を見かけました。近くの村人にその猫について尋ねたところ、子猫の頃、川で流されているところをその方が救い出したとのこと。
そのまま、その付近で野良猫として住みついているとのことでした。
その方も餌を与えておられたので、不妊手術の重要性をお話しし、付近に猫が増えないよう、不妊手術をお勧めしました。その後、不妊手術の依頼がありました。
捕獲器で猫を捕獲し、搬送途中、なんと、捕獲器の中で出産してしまいました。すでに妊娠していたのです。
離乳まで手術をすることができなくなり、その間、その猫と産まれた子猫3頭は、手術を依頼してこられた村人に面倒を見ていただくことになりました。
離乳後、母猫は不妊手術をし、その村人に飼われることになりました。
子猫は全頭譲渡が完了し、新しい家族のもとで幸せに暮らしています。

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産まれた3頭の子猫

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母猫と飼い主さん

②熊本での過剰繁殖予防活動より
6月、地域猫活動者の支援として、活動者と共同で野良猫の一斉捕獲を行い、雌猫1頭、雄猫4頭の不妊手術を実施しました。数日後、同地区で衰弱した子猫3頭が発見された為、当団体で一時保護することにしました。

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保護した3頭の子猫

3頭とも風邪様症状(感染症)があり、発育不全により、大きさにもかなり差があり、一番小さい子猫は3日目に亡くなりました。
次に小さい子猫は肺炎にかかっており、2日ほど命が危険な状況が続きましたが、どうにか持ちこたえました。
回復後も呼吸の速度が速い状態が続いているので、もしかすると後遺症があるかもしれないとのこと。もうしばらく経過観察し、レントゲンで肺の状態を確認予定。
一番大きな子猫(とはいっても、かなり小さい)は結膜炎の悪化からか、左目が腫れて突出し、眼球摘出の危険性がありました。
現在、眼球摘出の危険性は下がりつつありますが、まだ腫れは引いていません。2頭については、現在も治療中。

この3頭保護ののち、もう1頭、衰弱した子猫が発見され、当団体で保護。
この子猫は、肋骨骨折と横隔膜ヘルニアで、命が危ない状況でした。
手術の成功率もかなり低いとのことでしたが、そのままでも助からないので、手術を受けることにしました。
その子猫は幸運の持ち主だったようで、手術は成功し、現在は元気にしています。
この子猫には後遺症はなさそうですが、大きな手術も受けているので、この3頭については、それぞれの状態をご理解いただき、治療を継続、経過観察していただけることを条件に、譲渡先を探しています。

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手術前の子猫。肺が圧迫され狭くなっているため、呼吸が苦しそう。

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元気になった子猫

■今後の展望
葛尾村については、来春の帰村を目指し、除染等の準備が進められている。避難している住民と犬猫たちが、帰村後にも安心して暮らせるよう、出来る限りの支援を行いたい。
「TNR+M(マネジメント)活動」、犬猫の過剰繁殖予防活動については、福島、熊本ともに継続して行うが、徐々に熊本での活動を増やしていきたい。
熊本では、「東日本大震災から学ぶ-ペットの災害対策、同行避難」についての講演会、パネル展の依頼が増えている。
今後は、子供向けに「紙芝居」を使った講演会も実施していく予定。
講演会、パネル展については、熊本以外の県にも広げていきたいと考えている。

<ご支援くださっているみなさまへ>
皆様からのご支援心より感謝申し上げます。
今回報告させていただいた猫たちも、皆様のご支援のおかげで、救うことができました。重ねてお礼申し上げます。
福島では、これから冬に向け、大量のフードが必要となります。特に帰還困難区域では除雪が行われない為、積雪時は現地に行くことが困難になります。積雪前に、自動給餌器補充用にまとまったフードを準備しなければなりません。
これからも引き続きご支援いただきますよう、お願い申し上げます。


「緊急災害時動物支援ネットワーク熊本」
http://saigai-animal.org/
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