[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2016年07月20日

牛一頭分食べた猫

「おれの唐揚げ返せよー！」とスタッフルームに怒号が飛び交ったことも。
「何回、弁当を盗み食いされたことか」と、床屋の店主兼飼い主の菊地二三夫（きくち・ふみお）さん。看板猫のキジ白「コムタン」（18歳の男の子）がカリカリよりも人間の食べ物に興味をもつようになったのは、あるスタッフがお弁当の嫌いなおかずを与えてしまったことがきっかけ。それから味をしめ、何でも食べる猫になりました。大好物は「きゅうり」「納豆」あとはアレ。コムタンの長生きの秘訣にせまります。

スタッフルームのドアには猫だけが通れる加工が。
あれ？いまお弁当物色してた？

犬を飼うつもりだったのにね

小田急小田原線「向ヶ丘遊園」駅下車徒歩5分のところに菊地ご夫妻が営むヘアサロン「SUPER HAIR YOUNG」（スーパー　ヘア　ヤング）があります。じつは私、このお店には写真集『じゃまねこ』の取材でも訪問させていただいた経緯があり、その際は3匹の看板猫がじゃまする勇姿を撮影させていただきました。この時にコムタンが18歳だと伺い、にやつきながらの再訪となったのです。

写真集「じゃまねこ」（マイナビ出版）と、見開きページに載らなかったことを悔しがるコムタン。（だってコムタン、じゃましないんだもの）

コムタンはお店に迷い込んだ野良猫が産んだ猫。お母さん猫（ナムルと命名）は人を見る目があったといえます。それまでどちらかといえば犬派だった奥さまの由起（ゆき）さんを「飼ってしまえばかわいくて仕方がない」と猫派にくら替えさせてしまったのですから。

一方、猫を好きでも嫌いでもなかった二三夫さんですが、いまでは近所の野良猫にTNRを施し、これ以上不幸な猫が増えないよう地域猫活動にも力を注いでいます。猫を飼ってしまえば、外で生きる猫にも目がいくようになる。そして「自分にもなにか出来ることはないか？」と考えはじめるという流れは私と同じだなぁとすごく納得。みにゃさまも同じではないでしょうか？

会計係のコムタン。お客さんが財布を取りだすとすり寄ります。

母猫ナムルは3匹の猫を産みました。その後、ナムルときょうだい猫2匹が虹の橋を渡りお店にコムタンひとりになったとき、お店の常連さんから「子猫の里親になってくれないか？」という相談が寄せられました。当時のコムタンは16歳と高齢でしたが、迎え入れる子猫との相性よりもご夫妻はこの先起こるであろう「ペットロス」を憂慮して、2匹の子猫を迎え入れることに決めました。茶白の「タマ」とキジトラの「トラ」、兄弟がお店に加わってはや2年。歳が離れすぎているせいもあってか2匹はコムタンを敬い（こわいのかな？）、心配をよそに上手く暮らしているようです。

入り口付近に出没するトラ。さすが！広報宣伝部長！

タマ......、うまくカメラバックに入ったね......。タマは接客係なんだとか。

パワーフードは新鮮な牛の生肉

スタッフのお弁当をつまみ食いするほど、何でも食べるコムタンでしたが1年前、急に食が細くなり目に見えて痩せていくことがありました。心配になりかかりつけの獣医さんに相談すると「赤身の牛肉を与えるといいよ」との教えをいただいたので早速試してみることに。すると！なんということでしょう！生肉を食べるではありませんか！それから本当に食欲が回復し元気になったそうです。

お肉ー♡

パクっ。

それからというものコムタン朝晩の主食は「牛の生肉」に。（コスト高......）足りない時は下の2匹のカリカリを仕方なく食べるという感じ。まさかご長寿の秘訣が「生の牛肉」を食べることだったなんて予想だにしなかった結末。二三夫さんが「コム（タン）は牛一頭分、食べているのでは？」と言うのもうなずけます。