岩津さんに聞く!
2016年08月05日
みにゃさま、こんにちは。
今回は募集しているアニマルコミュニケーションにご応募くださった方のところへ訪問してきました。
ご相談内容は以下です。
この度広島で猫カフェを開業することになり、神戸の猫カフェの猫スタッフ達(6匹)とともに広島へ引っ越してまいりました。5月12日に猫カフェをオープンすることができ、今も営業しております。
相談内容は、神戸から連れてきた茶トラの3兄弟についてです。
神戸で猫カフェスタッフとしてお店にいた時は、3兄弟はものすごく仲が良くてケンカもしたことがありませんでしたが、広島に連れてきてここ数ヵ月のうちで、何回か大きなケンカをしだしました。
特に、「きなこ」と「くるみ」がケンカをする事が多く、神戸ではあんなに仲良しだったのに、広島に連れてきたのが悪かったのかと悩む日々です。
その理由が知りたいと思い、応募させていただきました。
今年の5月、広島市内にオープンした猫カフェ「cat cafe ねこごこち」さん。
店主のHさんは生まれも育ちも兵庫県ですが、ご両親の故郷の広島が大好きで、いつか広島に移り住み広島で猫カフェをオープンしたいと夢を持ちがんばってこられました。
ようやく準備が整い、今年の5月に猫たちとお引越し。
念願の広島での生活、そして大好きな猫たちと自分の猫カフェで働ける喜び。幸せな日々のスタート!と思いきや、オープン後わずか1週間で仲良し兄弟だったはずのくるみ君とよもぎ君(茶トラ3兄弟のうちの2匹)が大ゲンカ。その後も度々ひどいケンカが起こるようになってしまったのです。
けんかの相手はほぼ毎回違うものの、ふっかけるのはいつもくるみ君です。
右がくるみ君。
私がお邪魔したのはお店の定休日。お部屋に入るとみんながごあいさつに来てくれました。
のんびりゆったりとした空気が流れています。一通りのあいさつを済ませると各自好きな場所へ。
みんな近い場所でくつろいでいますが、くるみ君だけが離れた場所でこちらの様子を伺っています。明らかに不満げ、不機嫌な表情に見えます。
まずは近くにいたよもぎ君にくるみ君とのことを聞いてみると、「あいつイライラしてるんだよね。仕方ないだろって言ってるのに... あいつの話聞いてやってくれるかな?」と私に言いました。よもぎ君はお兄ちゃんのような存在だとこの言葉でわかります。
お兄ちゃん的存在のよもぎ君。
くるみ君の元へ行き、改めてごあいさつ。ですがムスッとすねたような表情で目を閉じてしまいました。私が何を聞きたいのかお見通しです。そしてとても疲れているのが伝わってきます。
お話聞かせてくれるかな?と話しかけると、きなこ君(茶トラ3兄弟の一匹)がやって来て「ねえ大丈夫?」とくるみ君の顔を心配そうにのぞき込みます。ケンカはしましたが、心優しいきなこ君はくるみ君が心配でならないのです。
と、その時「あーあ。なんでこんなことになっちゃったんだろ。あっち(神戸)は良かったなあ。」とくるみ君の声が聞こえました。
聞こえたと言うよりは、わざと大きな声で言ったような感じです。そして神戸での生活を思い出しています。寂しい、帰りたいという思いがいっぱいです。兄弟と仲良しの仲間たち、大好きな人たちに囲まれた大勢での暮らしがくるみ君にとって最も落ち着く場所だったようです。
「くるみ君は神戸が大好きだったのね。」と言うと、目は閉じたままですが耳をこちらに向けて静かに聞いてくれています。
と、お店のオープン後にイライラして周りに当たり散らしている様子が見えてきました。始めは静かに見守りなだめていたよもぎ君ですが、イライラがエスカレートするくるみ君に、とうとう堪忍袋の緒が切れ、「仕方ないだろ! いい加減にしろよ!」と飛びかかり大ゲンカになった映像も見えてきました。
ほかのみんなは環境の変化を受け入れ順応できましたが、自分だけそれができず歯がゆい思いをしていました。皆があまりにも心配して声をかけてくれるその気遣いに歯がゆさが増し、疎ましく感じていたようです。
私から、くるみ君の気持ちをHさんにお伝えし、気持ちに気付かず申し訳なかったこと、Hさんの夢について来てくれたことに対する感謝をくるみ君含め全員に伝えること、大好きな広島に住み、大好きな広島で猫カフェを開くことが自分の夢だったということもお話ししてくださいとお伝えしました。
Hさんがくるみ君にその場で涙ながらに謝罪をされると、「どうしたの?大丈夫?ねえ、泣かないで。」とくるみ君はHさんの顔をのぞきこみます。
涙するHさんを心配して寄ってきたくるみ君。
そしてこの後、くるみ君は自らよもぎ君、きなこ君の元へ歩み寄り、「ごめんね。心配かけたね。ありがとう。」と伝えたのです。
よもぎ君はまっすぐくるみ君を見、「ああ、わかってるよ。」と返し、きなこ君はくるみ君の目をのぞき込み、「うん」と一言。
大好きなHさんに辛い思いを受け入れ分かってもらえ、兄弟にも素直に気持ちを伝えることができ、くるみ君は肩の力が抜け、鋭かった目も子どものように無邪気なものになり、彼本来のものに変わっていました。
さあ、これから心機一転、みんなで再スタートです。くるみ君とHさん、いい仲間たちに囲まれてしあわせですね^^
Hさんから後日談をいただきました。
くるみの気持ち...最初お聞きした時に「やっぱり...」と思いました。
常々、人間のエゴのために猫を振り回したくないと思っていたのに、広島に連れて来たいというのは私のエゴであり、くるみにとっては知ったこっちゃないことですもんね。
それを改めて認識するのが怖くて、くるみとの対話を私からも拒否していたのかもしれない...と思いました。
それで更にくるみのイライラも募っていったのかも知れないです。
岩津さんに来ていただきたかった意味がわかりました。
改めて皆と話しました。話している間、自然と皆が集まってきてくれて、色々と想いを伝えることができたと思います。
くるみもまだ納得できてない感じでしたが、話している間は時には目を合わせてくれたりして話を聞いてくれたと思います。少しだけ瞳が柔らかくなったかなと思います。
本日は本当にありがとうございました。
『cat cafe ねこごこち』
広島市中区本川町1丁目1-27ラピス本川2階
【お知らせ】
私のことを紹介してくれた2冊目の電子書籍が出ました。
著者はシドニー在住の私の友人、高貝 志穂さんです。友人の目線から見た私のエピソードがたっぷりです。
よかったら読んでみてください^^