「写真写りがどうかなぁ?」
取材前、飼い主さんは猫の右目の上に出来た傷を気にされていました。しかし、取材当日きれいに穴は塞がりかさぶたに。取材日にピークを合わせてくるあたり、私は相当期待されているのではないか? これは腕がなります。
黒白猫の名まえは「るる」、16歳の男の子。お待ちしておりました、と言わんばかりのおもてにゃしの表情で私を迎えてくれました。
丸ーいお顔でお出迎え。
待望の子猫
「妊娠した自分へのご褒美」として、るるを譲渡会場から譲り受けた飼い主の四谷ユミさん。それは子どもの頃からの夢が叶った瞬間でもありました。じつはユミさんのご実家は建具屋さんで、「木材」を扱っていたため猫は御法度、ご両親が許さなかったのです。そして、2人目の妊娠で心に余裕もあったのでしょう、このタイミングに念願だった猫生活も手に入れたのでした。
ちょっと離れて様子を伺う。
猫のペースに合わせて、じっくりいきましょう。
猫を飼うなら「女の子」が良い(飼いやすいイメージがあった)と女の子をもらったはずでした。名まえも女の子らしい「るる」に。しかし1週間後に動物病院でそれが覆されようとはつゆ知らず、先生は申し訳なさそうに「この子、男ですよ」と......。
突然の告白にびっくりしたものの、「まぁ、いいか」と落胆することもなく、名まえもそのままに。その3ヶ月後、ユミさんはご長男を出産、突然の赤ん坊の出現に今度はるるがびっくりしたのは言うまでもありません。
そろそろノってきた?
遊びも現役バリバリです。
1歳からの処方食
1歳の頃に尿路結石症を患ってから、るるのメインの食事がこれまででずーっと処方食だったことは特筆すべき点。結石ができてからは「ストラバイトフード」、そして10歳を境に「結石予防のフードばかりでは腎臓に負担がかかるだろう」と獣医さんのすすめから「腎臓フード」に切り替えます。ドライの処方食に市販のウエットフードを少々、最近は「たまの伝説」(三洋食品)がお気に入りなのだとか。これが四谷家の猫又フードです!
るるは食いしん坊。最近は卵焼きに反応するらしい。
ミルクうめぇー。乳製品も大好物とのこと。
じつはこの家にはるるのあとにやってきた「みみ」(現在10歳)というメス猫もいるのです。(この日は姿を見せず、とうとう幻の猫に......)まだ健康な彼女ですが、るると同じタイミングで「腎臓フード」に切り替えるあたり、早め早めの対策がまた猫又に1歩も2歩も近づけるのでしょう。
これはさすがにアカンやつ。だってチョコやから......。
猫ボランティアからの学び
この日はユミさんの猫のボランティア活動にまで話が及びました。きっかけは家の庭に迷い込んだ1匹の猫を保護したこと。各所に問い合わせても、張り紙を貼っても一向に飼い主さんはあらわれません。「どうしよう?」そんなとき相談に乗ってくれたのが、日頃るるとみみのペットシッターをお願いしているOさんでした。
彼女の助けを借りることで、新しい里親さんを無事に探すことができました。その後、Oさんへの恩返しの気持ちと、猫ボランティアの活動に興味を持ったユミさんは、子猫の預かりやお見合いの立ち会い、里親さんへのお届けなどのお手伝いをするように。猫ボランティアの経験、人との繋がりが、これからの猫生活に生きてくるんだろうなぁと思いました。
困ったときは、猫ボランティアの仲間みんなで助け合える。だからるるは安心して寝ていられますね。
世界の出窓から。
そろそろおねむ?
おやすみなさい。
「
じゃまねこ」(マイナビ出版)好評発売中!
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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うちの子も、性別だまされたくちです(笑)。
引き取り手が見つかるまで、という約束で目があくかあかないかの頃から預かってたんですが、かかりつけの獣医さんの判定は「女の子」。(保護主は男の子じゃない…?といってたんですが)
なんやかやで結局うちの子にする際の大黒柱の条件は「女の子であること」だったので、クリア!と思ったらあとでたまたまが出てきました。
「もういいよ…。」って言ってもらえるまで隠してたのだと信じてます。えらい!賢い!
by から 2016-08-31 12:57
うちは性別ではなく年齢です。
以前保護した猫は、生まれてから一か月も経っていない、衰弱した子猫でした。そして私の手の中で旅立ったのですが・・・そのことがあったため、三か月くらい経った経過の落ち着いた子を知り合いより頂いたつもりでした。病院へ検診へ行った時、先生から・・・「三か月じゃないね。2か月かな・・・」あれれれでした。
でもとても元気に育ってくれていてそれだけで私は幸せです。
by ちゃっ 2016-08-31 14:29
片方の足だけ黒くて、まるで桜のもんどころを見せた遠山の金さんみたい(^^)
陽のあたる窓は気持ちよさそうです。最後の「おやすみなさい」の写真、光と影のコントラストが効いてるるくんが際立ってるすごくベスト!!(私的にね♪)な一枚ですね。
by あずにゃん 2016-09-01 10:29
からさん
はは、だまされましたか!でも判別も難しかったんだと思いますよ。
誰も「悪気はない」と信じたい!その後、女の子は迎え入れたのでしょうか?
by ケニア・ドイ 2016-09-01 11:26
ちゃっさん
産まれて8週でしたら道徳的にもセーフですしね。
うちも最近、同じく生後3ヶ月の子猫がやってきましたー。元気に育ってくれるかなー
by ケニア・ドイ 2016-09-01 11:32
あずにゃんさん
そうそう、なにか着ているような模様ですよね。
ベストショットのご報告ありがとうございます。
これがお気に入りとは意外でした。攻めてみて良かったですw
by ケニア・ドイ 2016-09-01 11:34
保護主さんはたぶん「男の子だと思うけど、女の子ならおうちに置いてもらえるの…?じゃあ、女の子かもしれないね!」という気持ちでいたくらいで、だーれも悪くないです、はい!(笑
その後女の子はお迎えしておりません。
もともと犬飼いで、犬がわらわらいる中に猫がきたので、どうも自分を犬だと思っているようで、犬とはすぐ親しくなれるのに猫は苦手そうなんです。育ての父も犬ですし。
でもきっと縁があれば、またむこうからやってきれくれるんだと思います。話せば長くなるほどネタがあるのでこのへんで(笑
by から 2016-09-05 17:58
からさん
「自分を犬だと思っている猫」そそるタイトルです!ほんと動物はご縁があればですよね。その心情すごくわかりますー。
by ケニア・ドイ 2016-09-07 07:49