夕飯の買い物帰りに事件は起こりました。
いつもの公園に黒山の人だかり。「なんや?なんや?」と人ごみをかき分けると、ビニール袋にまだ目も開かない子猫が2匹遺棄されていました。ひどい話です。ご夫妻は即決即断「うちで保護します!」と名乗りをあげたのでした。
遺棄された乳飲み子
柳坊(やなぎまち)夫妻は二人とも動物が大好き。しかしアパート暮らしだった当時は、犬も猫も飼う予定は全くありませんでした。でも、今回は事態が事態。「うちらが手を挙げな、死んでたやろな。」と、旦那さまの純一さんはその時のことを振り返ります。
実家で猫を飼っていたものの、乳飲み子の世話は未経験だった純一さん。それでも、動物病院のアドバイスやインターネットから情報を得てなんとか育ててきた白猫「ミルク」は、今年16歳を迎えました。
一緒に保護したきょうだい猫の「チョコ」は残念ながら3週間で虹の橋を渡ってしまったのですが、あとからやって来たチョコ似の三毛猫「チャーコ」(インターネットの里親募集サイトからやってきた)も、ミルクと同じく16歳に。チョコが亡くなった後「やっぱり2匹飼いがいいのでは?」となんとなく猫を迎え入れたことが、2匹のご長寿につながるとは夢にも思っていなかったようです。
「多頭飼いのご家庭に猫又あり」ですなぁ。2匹の相性もバッチリだったということもありますけどね。
大福みたいなミルクさん。
運動大好きチャーコさん。
しっぽピーン!興味を持って近づいてくるのです。ドイ大人気!
1日3回の食事
4年前に「まさか犬を飼うことになろうとは」と、こちらも予期せぬ出会いで白犬「たまご」を知人から譲り受けたことで、猫たちの生活に変化が。猫にはカリカリをメインで与えているのですが、食べ残すと犬のたまごが猫用も食べてしまうので「一回で食べられる量」をきっちり与えるようになりました。「食べ残しがないようにする」ことは、一気に多くの量をがっついて「吐き出す」猫にも有効な方法だと思いました。適量を「1日3回あげる」柳坊家は先をいっています。メモメモと。
最近太ったというミルクさん。ガーン!
太ってもいいんだよー。いい子いい子。
ごはんまだー?チャーコさんは家一番の食いしん坊。
食べ残しは遠慮なくいただくワン!たまごちゃん。(4歳)
夏でも同じベッドで
夏の暑い日でも必ず揃ってベッドで寝る仲のよい家族。ミルクは純一さんの胸の上、チャーコは奥さまの足の間が定位置です。
ミルクは純一さんのことが大好き。ミルクが女の子ということもありますが、まだミルクが乳飲み子だった頃、純一さんは会社のお昼休みに、ミルクにミルクを与えるため(ややこしい!)に毎日帰宅していたそうです。そんな献身的な純一さんの姿に、惚れてしまったんだろうなぁと勝手に妄想。かわりに、純一さんに近づくチャーコとたまごには嫉妬するらしく、当りが強いそうです。
そして、柳坊家のキーパーソンは犬の「たまご」なのかもしれません。たまごが来たことで、今まで床にばかりいた猫が高い場所にも移動するようになり、ミルクには嫉妬心をあおり、チャーコには食べる競争心を芽生えさせました。上下運動と揺れる乙女心、食の重要性をたまごは教えてくれたのです。
食器棚の上がチャーコの定位置。壁のマーキングはご愛嬌。
寝室のベッドの上がミルクの定位置。早く寝ようよーってまだ夕方っすよ!取材中っすよ!
そういえばこちらのおうち、奥さまにお嬢さん、ミルクもチャーコもたまごも純一さんをのぞいてみーんな女子だと気づきます。大黒柱の純一さんが健康で、みんなをちゃんと育て、守り続けていれば、おのずとみんな長生きするような気がしてきました。
イクメンでありイケメンでもあるパパさんに感服です。
それぞれの定位置を確保して、程よい家族の距離感を。
たまごちゃん!グッジョブ!!
「
じゃまねこ」(マイナビ出版)好評発売中!
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
X
Instagram
パパさんが拾ってくれて、育ててくれた恩をミルクちゃんは胸に刻んでいるのでしょう!チョコちゃんのぶんも長生きして猫又又になってくださいね!みんな仲が良くて明るくてすてきな家族ですね。
パパさんの眼差しがミルクちゃんへの愛があふれています♪
by あずにゃん 2016-09-14 15:01