猫の名まえは「ライガー」。とあるプロレス団体のレスラー名からとったそうなのだが、残念なことに性別はメス......。それでも愛称で「ライちゃん!」と呼べば、すごくぴったりとはまるから名まえとは不思議なものだ。
次女のひなちゃん(8)とライちゃん(15)
猫感度が高いから
飼い主の野村みゆきさんは常に家に猫がいる家庭環境で育ちました。そのため猫感度が高いのでしょう。雑踏の中、ひとは気づかず通り過ぎるのにみゆきさんはただひとり、子猫のかすれ声をキャッチしてしまうのです。それは大学時代、帰路の途中のこと......
みゆきさんとライちゃん
箱に入った1匹の子猫、これがライちゃんとの出会い、ではなく「母猫」との出会いでした。ほっとけなくてワンルームの部屋に持ち帰り、ボロボロのからだをやさしく洗う。こういうことは実家でも経験済み、慣れたものでした。しかし、なぜあんな場所に子猫がいたのだろう?迷い猫?の可能性も捨てきれなかったので翌日から付近をあたってみることに。予測は的中、すぐに猫の飼い主さんが見つかったのですが、このまま返してもまた外に出る可能性がある飼い方に不安を抱いたみゆきさんは、「子猫の飼い主になりたい」と申し出て、正式にライちゃん、ではなくライちゃんの母猫を譲り受けることになったのです。(なかなか主役のライちゃんが出てこないなぁ......)
一人暮らしはそれなりに楽しいものでしたが、猫がいることでさらに充実。その翌年には「犬」の宗(そう)くん(こちらも保護)も加わりました。そして大学卒業、と同時に2匹を連れて実家に戻ることになりました。
ライちゃん誕生
みゆきさんの実家にもアメショーの猫がいて、ほどなく母猫は妊娠(しまった!母猫は避妊手術をしていなかったのです)、5匹の子どもが産まれました。このうちの1匹がライちゃんです!やったー!待ってました!!
お待たせー
ライちゃんは他のきょうだいに比べ鈍臭く、よく言えばマイペースな猫。食べるのも遅く、きょうだい猫にごはんを奪われることもしばしば......。みゆきさんが結婚を機に実家を離れるとき、ライちゃんを連れて行こうと思ったのはそんなことから。(このとき母猫は他界)また犬の宗くんと仲良しだったことも決め手のひとつ、母猫の面影がありました。猫より犬の方が好き、不思議な猫ライちゃんです。
子どもを見守る母のよう
長寿の秘訣は「ウインナー」?
11歳、12歳の時に肛門線が破裂!たいへんな病気を患いましたが、現在は完治。そのときの健康診断で腎臓のケアを勧められてから食事は療養食「キドニーケア」(ドクターズケア)がメインです。中でもチキンテイストしか食べないとかで、でもこの日はかつお節をトッピング......。たまにフィッシュテイストが恋しくなるようです。
いままで人間の食べ物を与えるどころか、興味を示さなかったライちゃんですが、15歳を越えて変化が。ある日、子どもの食べ残した「ウインナー」を貪り食う姿にみゆきさんは驚愕したそうです。早めの療養食が長生きの秘訣だと思っていたのに、まさかここにきて「ウインナー長寿論」が飛び出してこようとは!?
長女あやちゃん(12)と。さすがお姉ちゃん、タッチがソフトだ
臆病から堂々と
食の好みが変わり、そして最近は性格にも変化が見られるようで。いままではお客さんが来ると絶対に押し入れに逃げ込み、超が付くほど「臆病」な猫だったライちゃんですが、この日も人前で堂々と。しかもめったに見られない次女ひなちゃんとの2ショット撮影にも応じてくれました。これにはご家族もびっくり。なぜならひなちゃんは猫に対してしつこく、ひっかかれてもめげずに行くから「ストレス」の原因とまで言われていたからです。ご家族と一緒に子どもの成長を垣間みた、とてもいい瞬間でした。
そうか、ライちゃんが変ったわけじゃない、我々人間が変わったのだ!と思い知らされるドキッと旅になりました。ご長寿の秘訣はひょっとしてわれわれ人間の成長と関係しているのかも知れませんね。
アクロバティックな撫では健在?
ひなちゃんもお姉ちゃんになったってことね
部屋全体が見渡せるから
最近お気に入りの棚。こんなのずっと欲しかったーとライちゃん
「
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写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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猫を中心に家族がいるっていいですね。
やわらかい日差しの中、家族もねこもほっこり暮らしている感じです。
これからもどんどん姉妹が成長していくのとやさしく見守るライちゃんは、まるでこの家のおばあちゃんのようですね。
by あずにゃん 2016-09-28 15:04
いつもケニア・ドイさんの、ねこさん写真に魅せられている一人です。
うちも先住猫(亡くなってしまいました)の死によって、子供たちの成長を感じることが出来た一人です。ねこさんの命を感じ、悲しみ、色々な経験が子供達を成長させてくれました。
ねこさんと暮らしていると、子供達だけでなく大人の私までも知らないところで何かしら良い影響を受けて生活できてます。今のねこさんとは出来るだけ長く一緒に居たいです。
by ちゃっぴー 2016-09-28 15:34