「懐かしいなぁ」
猫の子ども時代のことを尋ねると、ふだんは無口な飼い主さんから溢れ出すエピソードの数々。懐かしい思い出が次々とよみがえります。猫の記憶の断捨離はできないものです。
猫のなまえは「ニャン号」(キジ白の男の子)、18年前に瀕死の状態で拾われました。
チラッ
うわ〜猫死んでるわ
デートからの帰り道、西浦徹(にしうらとおる)さん(神戸市在住)は歩道で動かない子猫と遭遇するのです。「うわ〜猫死んでるわ」と拾い上げると、かすかに鼓動が......。とくに猫好きではなかったという西浦さんですが、雨が降り体温も奪われる危機的状況から子猫をいったん連れて帰ることに。1998年、インターネットも今ほど普及していない時代に検索ワード「猫 赤ちゃん」でわかったことは「人間用のミルクを与えないように」と。「そんな悠長なこと言うてられんしな(怒)」と近くのスーパーで人間用のミルクを購入、小指につけなめさせ急場をしのいだのでした。(翌日ペットショップへ走り子猫用のミルクを無事に購入。)
当時お付き合いされていた彼女にこのことを報告すると「えー!あの子猫?!まだあそこにいたん?」
実はデート出発前、2人でニャン号を目撃していたのです。多少気にかけていたこと、同じ場所にじっとしていたことから救われたニャン号、体調を持ち直して動物病院へ。晴れて西浦さんの飼い猫となりました。
屋上にはグリーンと
ウッドデッキ!
草食い放題!爪研ぎ放題!
当時お付き合いしていた奈緒子(なおこ)さんとその後、ご結婚。ニャン号が繋いだ「ご縁」と私はひそかに思っていますよ。フフフ。
ニャン号18歳。若々しい。
家族も増えましたニャー。
猫アレルギー
いままで大きな病気、怪我もなくすくすくと育ったニャン号。逆に猫アレルギーを発症したのは西浦さんの方。重度ではないけれど、ひっかかれればじんましんに。健康を保つために程よい距離感をとることが、結果、ベタベタするのを好まないニャン号にとって好都合だったのかも。奥さまと長女(4歳)にアレルギーはありませんでしたが、次女(1歳)がそれを受け継ぐカタチに。ギュッとしたいお年頃、それでもギュッとできない、させられないもどかしさ!うーん、早く良くなりますように!
次女とニャン号。
ちょっとだけよ、トントントン。
2年前から、ニャン号はお気に入りの屋上階の住人に。屋上といっても、個室の住居スペースがあり、しかも庭付き!くー、うらやましい!!
日も暮れたことだし、
部屋へ戻るニャッ!
まさにここは男の隠れ家なのです。
新しい刺激と発見
これまで部屋を自由に行き来させ、お互い好き勝手に過ごしてきた結果、ニャン号は18歳に。そして2年前から屋上階に住みつき、太陽を存分に浴び、風の匂いを楽しむ暮らし。18歳にはとうてい見えないニャン号と子どもの成長が今後も楽しみです。
ちょっとした親戚のおじさん気取りで西浦家をあとにする。猫又万歳!
【おまけ】
ニャン号は人見知りやさん?
「おーい、出ておいでー」
突然の来客に身を隠すニャン号、取材なしになるのか?!
すやー、お子も待ちくたびれ。
帰ろうかなと思ったそのとき、すたすたすた!!
状況確認。
すんすん、匂いの確認。
(この人いい人かも?)
はい落ちたー!
「
じゃまねこ」(マイナビ出版)好評発売中!
写真
猫又トリップライター紹介
ケニア・ドイ
1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。
http://kenyadoi.com
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18歳とは思えないまさしく虎のようなしゅっとしたいけにゃんですね。
屋上にはみどりあり、個室あり、なんともうらやましい猫ライフ。ご家族ともべったりせずのいい関係が伝わります。子供たちを優しく見守りのんびりおじいちゃん生活、楽しんでください。ほっこり(^^)
by あずにゃん 2016-12-07 11:44
あずにゃんさん
ほっこりです。屋上庭園憧れますー。
by ケニア・ドイ 2016-12-07 16:33
あずにゃんさん
程よい距離感が猫の魅力ですよねー
by ケニア・ドイ 2016-12-21 20:37