フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:東京都、神奈川県、およびその隣接県
Perro Dogs Homeでは年1回、ドッグランを借り切って「運動会」(オフ会)をおこなっています。
当会から譲渡した犬とその里親さま、スタッフ、多数の犬仲間をお呼びして開催します。
このとき、(亡くなった子を除く)全頭の里親さまにご連絡します。
これまでに譲渡した犬は400頭近くになりますが、運動会の出欠連絡にあわせて近況のご報告をいただけることも多く、それを読むほど嬉しい時間はありません。
今年、胸がいっぱいになったのは、2011年にミニチュア・ダックスの飼い主となってくださったご家族から10月はじめにいただいた返信メールを読んだときでした。
こう書かれていました。
「ヘルニア手術から早2年がたちますが、腰から下は完全にマヒのままで、日々圧迫排尿とマッサージでの排便になりました。でも私もダン吉(注・犬の名前)もその生活に慣れ、気持ち的には前とおんなじかなあと思っています。」
この「気持ち的には前とおんなじかなあ」という言葉。そのなにげなさ。
お送りいただいた近況写真。公園で保護した猫と仲よしに暮らしているそうです。
このダックスの男の子のことは、よく覚えています。これまでに接したダックスのなかで、もっとも性格のよい子でした。エネルギッシュで明るく、前向きで、人が大好き、神経質のカケラもない。この子を見ているだけで気分が晴れ晴れと何か幸福感がこみあげてくる、そんな子でした。
何年か前、その子がヘルニアを患い、外科手術の後、下半身マヒとなったというご報告をいただいたとき、えっ、あの子が......というショックと同時に、飼い主ご家族にはこれからご苦労をおかけすることになるかもしれない----という心苦しさのようなものを感じずにはいられませんでした。
そのメールには続いてこう書かれています。
「車いすも作ったので、けっこうアクティブに動くこともあって、ご飯の時のダッシュもすごーく速いんですよ。」
明るく屈託ないダン吉くんの姿がいきいきと眼前に浮かぶようでした。何度読んでも胸がいっぱいになります。
説当会で保護した直後のダン吉くん
私たちはこういうご報告に接すると、こんな素晴らしいご家族に保護犬を譲渡した自分たちの選択は間違っていなかったんだと、少しだけ誇らしい気持ちになります。
当会が発足してほぼ10年になります。
病のご報告だけではなく、はじめのころに譲渡した犬の訃報が届くようになっています。
犬の死や病はもちろん辛いことです。飼い主、犬のそれぞれにとって。しかし私たちは活動をつづけるうちに少し違う視点ももつようになりました。
犬が病を得、あるいは死を迎えるとき、その傍らに最愛の飼い主家族がいてくれることが、犬にとって最高の幸せなのだ、と。
私たちが譲渡した犬は、何らかの理由によって前の飼い主に見捨てられた子です。
譲渡活動は犬を新しい飼い主さまに引き渡した時点で終わるのではありません。その飼い主のもとで犬が幸せに一生を終えるのを見届けてはじめて譲渡活動は完了するのだと思っています。
<ご支援くださっているみなさまへ>
犬や猫の救援活動に対して、私たちがお顔もお名前も存じ上げない多くの方々がご支援くださっていることに感謝申しあげます。
日常的な買い物の際に、こうした活動に心を留めていただき、わざわざご支援の手を差し伸べてくださる多数の人の存在に、私たちは強く励まされます。
その方々のことを知りえないからこそ、逆にそれが強い力となるのを感じます。というのも、その方々の1人は、いま街で私の近くを歩いているのかもしれませんし、ドッグランでいつも顔をあわせているかもしれないし、コーヒーショップですぐ隣に座ってお茶を飲んでいたり、電車で一緒の車両に乗り合わせているかもしれず、隣家のご家族、あるいは職場の同僚のかもしれない......。
実際、最初にフェリシモ基金のご支援を受けることになったとき、会のスタッフの複数名が「私もフェリシモで寄付したことがある」と名乗り出ましたが、そのこと(そのスタッフが寄付していたことは)はそれまで他の誰も知りませんでした。
そうしたこと----無形の多数の力の集積----に、私たちは感慨をおぼえざるをえません。あらゆる場所に存在する見えない力に強く背中を押されている気がします。
皆さまのそのお力を私たちは決して無駄にしないつもりです。
ありがとうございました。
「Perro Dogs Home(ペロ・ドッグズ・ホーム)」
http://www.perro-dogshome.com/