フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所: 主に静岡県東部 及び伊豆半島北部
●期間内半年間でのTNR数 : 事務局168匹 ・ その他28匹
●山中の事業所
3年前、別場所のTNR時に苦情の基になった猫たち3匹をボランティアを名乗る男性が連れてきた山中の事業所。その人物は当会の基調活動である、千本の餌やりだった人物。捨て猫の知識もないため(※)、こういった移動も千本同様ボランティア活動ととらえているようだが、実はれっきとした捨て猫である。不妊手術は済んでいたものの、そこで給餌していたところ近所のノラ猫たちが集まり、更に捨て猫もあり、あっという間に30匹以上になった。子猫たちもその都度生まれては死んでいく惨状に、別場所の依頼者が見かねて、当会に相談。10月までに22匹のTNRをし、子猫たち7匹を引き取った。山中とはいえ近くの民家と行き来している為、行動パターンが読みにくく、捕獲が非常にやりにくい。また、引き取った子猫たちは人間に慣れていない為、譲渡に苦労している。現場にはまだ、残り約4匹の未手術猫がいる為、引き続きTNRの予定。
※改正後の「動物の愛護および管理に関する法律」によれば、動物を移動した先で適正に管理することが出来ないとみなされた場合、それは捨て猫犯罪となる由、明文化された。基調活動である千本松原に存在する最大級のコロニーはそういった餌やり達が、各所から連れてきて管理すると称して放し「猫の楽園」と名付けていた。千本では給餌していた方が亡くなられ、他所へ移動したため、「猫の地獄」ともなりかねない状況だったが、以前の報告に記載通り、現在は何とか均衡を保っている。
●保健所に引き取り依頼のあった場所
保健所での引き取り処分数を減らすという事で、行政と情報共有しながら取り組んでいる場所の一例。以前は個人情報の壁があったが、引き取りに出したいという本人にボランティアを紹介する形で不妊手術を進める・・・という事で、このところは少しずつ話が進んでいる。ここでは合計15匹をTNRした。他にも期間内に、引き取り以来のあった現場に何か所か取り組んだが、共通するのは以外にも酷い人間像ではなく、苦悩する餌やりの姿だった。何年にもわたる自治会との確執で「もう少し早く知り合っていたら・・・」と泣かれてしまったケースも多い。ただTNRし、耳カット猫を管理していくのではなく、そこに自治会を介在させることで猫環境や居住権を確保していく「地域猫活動」の重要性をますます感じる事が多い。好きでも嫌いでも、行政や自治会など猫に関係する人間にコミュニケーションをとりながら進めなければ、結果として猫も人間も守れない。人間抜きでTNRのみを進める活動家も存在するようだが、実際は猫に関わっている人間の為のみならず、猫の為にならない事に警鐘を鳴らしたい。
●Sニュータウン
子猫が毎シーズン生まれては車でひかれていた民家前の駐車場
以前は大きく3つに分かれた区域の一つに取り組んでいたが、1年前から他区域に集中的に通っている。取り組み当初は餌やりを特定できなかったため、保健所と一緒に地道に地域周りをし、猫の管理者を特定するだけでなく支援者も探し出した。手術費用を賄えない高齢の餌やり人も存在する為、支援者に協力依頼し費用負担をなるべく少なくする為、何度も通わなければならない。
空き家が多く存在するため猫の総数が把握しにくいが、近隣の住民から「明らかに子猫を見なくなった」と言われた。まだ、未手術の猫は存在すると推測される為、引き続き地道に通って猫情報を集めたい。
●自治会でもめて居たS町の給餌場所
周りは畑や空き地で何もないにも関わらず、自治会員が猫嫌いの為、何度も役場に苦情が寄せられていた場所。餌やり人が地元住民ではない為、なおさら地域感情が難しく、TNRだけでなく現場を中心とした広い場所の地域調査が必要となった。すぐ隣ブロックは他市となるため、当会事務局員が春から秋まで在籍した他市のボランティアとして隣ブロックのTNRにも参加。猫を生み出しているコロニーも探し出しTNRした事により、もともとの給餌場に新しい猫が来なくなった。現在は、地道な地域説明により、嫌がらせもなくなり、猫たちの体調もすこぶる良い。自治会役員が交代する時期に、また訪ねて確認しながら見守っていきたい。
<ご支援くださっているみなさまへ>
いつも私たちの活動に暖かなご支援をありがとうございます。
私達は少人数ながら、一歩先を見つめた活動を心掛け、確実な飼い主のいない猫減少を目指しています。また最近は保健所と協働し、引き取り処分数を確実に減らすよう、積極的なアプローチで確実な不妊手術を効率よく行えるよう、交渉や準備に十分な時間をかけています。目先だけの殺処分数減少ではなく、その後のアフターフォローにも力を入れ、数年後も猫数減少が持続できるよう、徹底した取り組みを心掛けています。先ごろは、基調活動である千本松原に長年捨て猫をしていた方の所に介入し、千本プロジェクトでの最終段階、捨て猫をさせない為の施策にも熱心に取り組みました。
さて丁度今、多頭飼育崩壊のカウントダウンが始まっているかのような120匹の世帯に取り組み始めました。半年前50数匹だったものが倍以上になった為、次シーズンまで待ったがかけられないばかりか、室内にいる為、この冬場も発情と出産を繰り返している様子。現市町では飼い主のいない猫に対してしか助成金が出ない為、話をどう持っていくか、また資金をどう調達するかが現実問題としてすぐに起きてくると予想され、本当に苦慮しています。このような難しい案件も、皆様のご支援を頂けるなら、解決も夢ではないと確信しています。願わくばより一層のご支援いただけますよう、これからもよろしくお見守りください。
「動物ノート」
http://doubutu-note.jp/